【好評】川上郁雄(編)『公共日本語教育学――社会をつくる日本語教育』

  • cover2017年5月,くろしお出版より刊行[出版社による紹介

    人とことばと社会をしてんに,どのような社会を築けるか――日本語教育を通じて探求していく実践の学

    本書の主張する「公共日本語教育学」とは,「人とことばと社会を視点に私たちがどのような社会を築こうとするのかを日本語教育を通じて探究していく実践の学」の総称です。これまでの日本語教育を「公共日本語教育学」として捉え直す議論はまだ緒についたばかりです。しかし,これからの社会に必要な日本語教育の社会的意義と貢献を考えるとき,「公共日本語教育学」をめぐる議論は不可欠でしょう。(「序 なぜ「公共日本語教育学」の構築なのか」より)

  • 2017年5月19日,公開シンポジウム「『公共日本語教育学――社会をつくる日本語教育』を読み解く――私も言いたい読後感」を開催

    中継録画を公開しています[YOUTUBEで視聴する]

    • 主催: 早稲田大学大学院日本語教育研究科
    • パネリスト: 細川英雄(早稲田大学名誉教授),砂川裕一(国際交流基金 日本語国際センター所長),石井恵理子(東京女子大学教授)
    • 司会:  川上郁雄

新着情報――川上郁雄研究室

お知らせ

【終了:12月15日】比較日本文化研究会 2019年度大会(京都)
『人文社会科学の四半世紀を振り返る―流動的な現代社会にどう対応するのか』
川上郁雄「〈移動する子ども〉というフィールド」ほか

  • 日時: 2019年12月15日(日)13:00~17:00
  • 場所: 京都先端科学大学太秦キャンパス東館E302教室[アクセス
  • チラシをダウンロード[PDF]
  • プログラム
    研究発表(司会:橘弘文)
    佐々木高弘(京都先端科学大):妖怪文化を地理学的に考える
    永原順子(大阪大):怪異伝承と水難事故との関わり―日本およびASEAN 諸国での調査をもとに
    安井眞奈美(日文研):出産・身体に関する研究を振り返る
    川上郁雄(早稲田大):「移動する子ども」というフィールド
    全体討論(司会:浮葉正親)

比較日本文化研究会の会誌『比較日本文化研究』は,次号の20号をもって休刊することになりました。会誌では,最後を飾るために,運営委員が中心となって,人文社会科学の四半世紀を振り返り,自らの研究を位置づけながら,将来の展望を示す特集となっております。そこで2019年度の研究大会でも会誌と同じテーマとし,各分野の4名の研究者の発表と,参加者との討論会を開催したいと考えています。

人文社会科学の危機が叫ばれる中,多くの研究者にご参加いただきたくご案内申し上げます。

【終了:12月26日】第30回 早稲田こども日本語研究会

  • チラシ: 日時: 2019年12月26日(木)16:30~18:00
  • 場所: 早稲田大学 早稲田キャンパス19号館 6階610教室[アクセス
  • 主催: 川上郁雄研究室および早稲田こども日本語クラブ
  • 事前登録制(参加費は無料):
    参加希望の方は,前日までに kodomo-nihongo@list.waseda.jp へメールでご連絡ください。
  • チラシをダウンロード[PDF]
  • 参考: 過去の公開研究会の記録

岩城けい氏との対談『「Masato」は,今,何を思うか――「移動する子ども」をめぐる創作活動と研究』

オーストラリアへ移動した小学生を主人公にした小説『Masato』の著者と川上が「移動する子ども」をめぐり,対談します。

岩城けい氏:
作家。『さようなら,オレンジ』(2013)で,太宰治賞,大江健三郎賞受賞,『Masato』(2015)で,坪田讓治文学賞受賞,他。

参加希望者は『Masato』を読んだ上で,事前登録をしてご参加ください。また,川上による書評が『ジャーナル「移動する子どもたち」』に掲載されています。

  • 岩城けい(2017).『Masato』集英社文庫.
  • 川上郁雄(2018).モバイル・ライブズを生きる「移動する家族」の物語――岩城けい(2017)『Masato』集英社文庫『ジャーナル「移動する子どもたち」――ことばの教育を創発する』9,40-46.http://gsjal.jp/childforum/journal_09.html

【9月3日@ウェールズ】講師:川上郁雄
カーディフ日本語教育セミナー「移動する子どもたちとことばの教育」

グローバリゼーションが進む昨今,幼少期より外国で成長する子どもたち,また日本と外国を行き来して育つ「移動する子ども」が増えている。本発表では,このように外国で成長した子どもたちの例を取り上げ,彼らの日本語と他言語の学習の意味付け,日本語を含む複数言語能力についての意識,それらの意識に影響を与えた要因といった観点から,「移動とことば」の関係がアイデンティティの再構築や生き方に影響を与えていく過程を紹介する。そして,子どもたちの日本語能力を含む複言語複文化能力の育成について提案を行う。

【覚書締結】ドイツの「コミュニティwatashi」と共同実践プロジェクトを展開

「コミュニティwatashi」は,日本語・日本を学ぶ海外在住の子どもへの教育活動を展開するドイツの公益法人です(代表:磯洋子さん)。川上研究室と「コミュニティwatashi」は,2018年,ドイツで学ぶ子どもへの教育活動を共に支援することを通じ,子どもたちへの理解と教育支援のあり方を共に考えることを目的とした,共同教育実践プロジェクトを行います。

川上研究室では,オンライン学習プログラムの開発や,保護者を含めた関係者間での交流環境の形成を行い,さらにそうした中に院生も参加し,その活動は実践研究として成果をフィードバックしていきます。

最新情報は,双方のWEBサイト,機関紙・ジャーナル等で随時公開していく予定です。

【必見エッセイ】ニシムラパーク葉子さん
『授業の風景――ブリスベンで日本語を学ぶ子ども達』

エッセイをダウンロード[PDF]

本エッセイについて,世界各地から寄せられた感想を西村パーク葉子先生から届けていただきましたので,ご紹介します。

藤光由子さん(パリ日本文化会館・日本語教育アドバイザー)
葉子さんのエッセイ,一気に読ませていただきました。
夢と冒険,出会いと発見。涙と汗,情熱。観察と受容。
探究と創造。愛情と希望。すべてがぎゅっと詰まっている。
なのに,語り口はあくまでも軽やかで。
これからの道にも,また新しい楽しみがいっぱい待っている予感でいっぱいで。
吉田直子さん(中部大学現代教育学部・教授)
このような日本語教育がオーストラリア人の日本志向を支えているのかと感服いたしました。このエッセイは,学生たちにも読んでもらいたいと思います。学生たちには,小学校教師としての外国語活動の授業の貴重な示唆が含まれていると思いました。。私は,「教育心理学」という講義で小中学校の授業方法も扱っているので,私にとっても参考になるエピソード満載です!
中村栄子さん(ノースショア日本語学校〈オーストラリアNSW州教育省管轄下Community Language School〉・代表)
面白くて一気に読んでしまいました。
先生のお人柄はもちろん,あちこちで教えられたすばらしいご経験,そして何よりもそれらに立ち向かう先生の不屈な精神とまじめな取り組み,,,本校に使えそうなところがたくさんあり,大変参考になりました。
須摩亜由子さん(国際交流基金シドニーオフィス・Language Consultant)
エッセイ,とても面白かったです。
若干の環境の変化はありますが,今も教室はこんな感じなんじゃないかなと思いながら読みました。
教室の様子がいろいろ想像できて,すごく参考になりましたし,目の前の生徒のために奮闘している様子から,私自身の教室でのあれこれも懐かしく思い出しました。
やっぱり何のために,誰のために…と,目標が明確に見えていること,やっていることに意味を見いだせることは学習者にとっても教師にとってもすごく大切ですね。

著者プロフィール: 西村パーク葉子

1956年,京都市に生まれる。京都産業大学外国語学部英米語科在学中,カリフォルニア大学バークレー校に留学。大学卒業後,国立国語研究所やアサヒ文化センターなどの日本語教師養成講座などを受講し日本語教師を目指す。京都にて英語教師,日本語教師を経たのち,1990年,日本語教師としてオーストラリアに渡る。ブリスベンのハイスクールにて7年間,外国語としての日本語を教える。1998年から2015年まで,上級教育官としてNSW州教育省にて遠隔地教育の教材作成とワークショップ,新教授法や教室におけるテクノロジー使用に関する教師養成,日本語教師の言語・文化の知識に対するサポート,オンライン教材の作成などに従事する。現在はシドニーにて継承語としての日本語教育に携わる。また日本人とオーストラリア人の両親を持つ子どもを扱った短編映画,Riceballs(宇佐美慎吾監督・主演,2016年)に出演し,この映画を日本語教育にも利用できるよう補助教材の作成にも取り組む。共書:中等教育用日本語教科書シリーズ『Mirai 1~6』Pearson/Longman,1995~2006(『Mirai 1』は1999年,The Australian Awards for Excellence Publishing受賞),中等教育用日本語教科書シリーズ『iiTomo 1~3』Pearson,2008~2011。

川上郁雄の最近の仕事より

【発表しました】第2回アジア・アフリカ研究の視野における日本学国際シンポジウム,基調講演(川上郁雄)
「移動する子ども」とモバイル・ライブズ――国際移民時代の日本研究の課題

講演概要をダウンロード[PDF]

  • 日程:2018年11月11日(日)
  • 会場:上海外国語大学虹口キャンパス
  • 主催:中国日本語教育研究会,教育部外国語文学教学指導委員会日本語委員会,上海外国語大学日本文化経済学院・日本研究センター

photo:

詳細情報は,上海外国語大学日本文化経済学院による報告[中国語]をご覧下さい。

【発表しました】ヨーロッパ日本語教育シンポジウム(ポルトガル,リスボン)

パネルセッション:「移動とことば」の視点から捉え直す「継承日本語」――ヨーロッパの事例をもとに/川上郁雄(早稲田大学),三宅和子(東洋大学),岩﨑典子(ロンドン大学SOAS)[参考:「移動とことば」研究会

本パネルは,超多様化社会(superdiversiy)の中で,日本にルーツを持つ大学生や成人が,いわゆる継承言語としての日本語を含む自らの多様な言語資源をどのように認識して生きているのかというテーマを「移動とことば」という視点からヨーロッパの事例を中心に議論する。この視点,すなわち空間,時間,言語間の移動を人の常態とし,また複合性・動態性・相互作用性をことばの常態と捉える視点から,複数言語環境の社会とそこで生きる人を捉え直す。したがって,どの言語で何ができるかという能力観による研究や教育ではなく,日本語を含む複言語・複文化能力を人はどのように捉え生きているのかという主体的生き方と主観的意味世界から人とことばと社会の関係を考察する。その考察を通じて,ヨーロッパにおける継承日本語としての日本語使用および日本語学習の意味や意義について再考することを目的とする。

第一の発表では,幼少期よりドイツで成長した国際結婚家族の子どもに焦点を当てる。幼少期より日本語を学んだ経験をもつ若者に対するインタビュー調査とタイで幼少期より成長した同様の経験を持つ若者に対するインタビュー調査の比較検討から,子どもに対する「継承日本語教育」のあり方を問い直す。

第二の発表は,英国の大学で日本語を専攻する自称「日本人とイギリス人のハーフ」の学生の言語やアイデンティティの意識が,日本留学中,日本留学後にどのように変遷したかを探り,留学経験のもたらすアイデンティティ間の交渉における日本語の位置付けを明らかにする。

第三の発表は,在英国際結婚家庭で日本語を一切教えられずに育った子どもたちが青年期に日本語を学び始めた事実に注目し,いかにことば(の学習)が自らにとって意味をもち主体的に選択されるかを報告し,「継承日本語」の前提となっている世界観や言語観を再考する。

川上郁雄: 「継承日本語教育」は子どもに何を与えたのか――複数言語環境で成長した若者の意識に関する独・タイ比較研究
1980年代以降,日本を出国する日本人女性が増加している。日本国外の日本人の結婚で国際結婚が8割を占め,そのうち妻が日本人女性のケースが8割以上となっている(渋谷,2014)。そのことを背景に,近年日本国外で子どもに日本語を教える「継承日本語教育」が注目されるようになった。特に欧州では「複言語キッズの Can Do」(http://mottotsunagu.blog.fc2.com)が開発されるなど,子どもへの継承日本語教育の実践や議論が活発である。
しかし,子どもの「継承日本語教育」の研究では,親の考えや意識に注目した研究はあるが,子ども自身がどのような意識で日本語を学んできたのかについての研究は少ない。一方,補習校等で日本語を継続的に学習した子どものケースが「モデル・ストーリー」として語られ,逆に,途中で日本語学習を断念したケースは否定的に語られることが多い。日本語学習の継続と中断をめぐる言説は,親子をともに不安にするだけではなく,子どものもつ複言語資源を豊かに育てる視点を失う可能性がある。
そのような問題意識から,本研究では,ドイツに暮らす国際結婚家族の子どもに焦点を当てる。幼少期よりドイツで成長し日本語を学んだ経験をもつ若者と,タイで幼少期より成長した同様の経験をもつ若者に対する,ふたつのインタビュー調査の結果を比較検討し,子ども時代の日本語学習の意味付け,自分の日本語能力についての意識,日本語も含む複言語・複文化能力についての意識,それらの意識に影響を与えた社会的要因や家族の要因を明らかにする。その考察から,日本語学習を継続しなかった若者も,主体的に日本語能力を利用して積極的に生きている姿を明らかにする。これらの結果と考察から「継承日本語教育」のあり方を問い直す。

【好評】尾関史(著)
『子どもたちはいつ日本語を学ぶのか――複数言語環境を生きる子どもへの教育』

複数の言語や文化の中で育つ子どもたちは,複数のことばをどのように捉え,どのように学ぶのか。そして,その過程でどのようなアイデンティティを形成しながら成長していくのか。

本書ではこれらの問いに答えつつ,複数言語環境を生きる子どもたちへの「ことばの教育」を再考する。

前半では,ある外国籍の子どもに対する日本語教育実践と帰国後の学びを,約1年半にわたるフィールドワークを通して捉える。後半では,複数言語環境で育ってきた4人の若者たちにライフストーリーインタビューを行い,幼少期の経験がその後の言語習得や人間形成,アイデンティティ形成にどのような影響を与えているのかを探る。

尾関史さんの研究紹介 >

【好評】
다락원일본어독해(タラグォン日本語読解)』シリーズ(다락원 刊)

  • 古賀万紀子,青木優子(著)
  • 表紙다락원일본어독해 중급(タラグォン日本語読解 中級)』
  • 다락원일본어독해 초급(タラグォン日本語読解 初級)』
  • 다락원일본어독해 초급에서 중급으로(タラグォン日本語読解 初級から中級へ)』
  • 다락원による紹介

初級・初中級・中級段階の学習者を対象とした総合型読解教科書です。本教科書では,読むことに加え,本文の中で新しい文型や語彙を学び,書く練習や聞く練習を通してそれを身につけることを目指しています。

各課のトピックは,身近なものから社会問題まで,学習者の関心を引く幅広いテーマを取り入れました。授業の目的やカリキュラムに合わせて,どの課からでも始められます。

課の構成は,導入部・本文・読解問題・本文中の単語や表現の一覧・文型練習・文法練習問題・聴解問題となっています。文型説明や単語説明には韓国語での説明や対訳が付いていますから,それを参考にしながら問題に取り組むことができます。また,難しい漢字には読み仮名が付いていますが,文字の下にルビを振っているので,それを隠しながら読むことで,漢字の練習もできます。

楽しみながら学習することができるよう,さまざまな工夫が詰まった教科書です。

青木裕子