19期生(2010年度4月入学)

佐伯なつの(さえき なつの)

研究・関心

複数言語環境で育つ子どもが,どのように日本語を自分の中に位置づけ,生きていくのか,そのために必要な「ことばの力」とは何かについて関心を持っています。

日本語教育者として,複数言語環境で子どもを育てる親としての両面から考えてみたいと思っています。

自己紹介

慶応義塾大学文学部人間関係学科卒業。

大学卒業後3年半の商社勤務を経て,結婚を機に日本語教師の資格を取得した後,中国駐在生活における自分の外国語学習経験と,日本語学習を通して大きく成長した一人の少女との出会いから,日本語教育を学びなおしたいと思い,大学院進学を志しました。

また,現在インターナショナルスクールに通う私自身の子どもも,家庭内では日本語,学校では英語,という言語間を「移動する子ども」です。

「移動する子ども」を育てる親の立場から,子どもの日本語教育について研究を進めていきたいと考えています。

修了後の予定

通信課程で中学国語教員免許を取得しながら地域の「移動する子ども」とその親のサポートに関わっていきたいと考えています。

業績

論文
  • 佐伯なつの(2012).『親であり実践者である「私」が捉える「移動する子ども」のことばの発達過程――相互構築的なことばの力の育成を目指す日本語教育の意義』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
  • 佐伯なつの(2011).私はどのような実践研究を目指すのか――これまでの私の実践研究を手がかりに―.細川英雄『日本語センター及び日研におけるポートフォリオ実施のための理論と実践』(pp. 83-89)早稲田大学日本語教育研究センター一般研究(2010年度重点研究).
  • 佐伯なつの(2011).JSLの子どもの日本語におけるCALP育成に必要な支援とは何か――バンドスケールレベル5の子どもに対する支援を事例として『年少者日本語教育実践研究』16,13-25.
  • 佐伯なつの(2010).主体的な「ことばの学び」を目指して ―「日本人みたいに話せるようになりたい」『年少者日本語教育実践研究』15,55-66.
研究発表
  • 佐伯なつの(2011年2月24日).「『JSLバンドスケール』レベル5の『壁』を乗り越える為に――インターネットを活用したニュースの翻訳活動から」第2回関東:年少者日本語教育研究フォーラム(東京:早稲田大学).
  • 佐伯なつの(2011年9月25日).「『移動する子ども』と親が共に探究することばの力――親であり教育実践者である私の自己エスノグラフィーと教育実践から」(ポスター発表)早稲田大学日本語教育学会2011年秋季大会(東京:早稲田大学).

横山愛子(よこやま あいこ)

研究・関心

多様な背景をもつJSLの子どもにとって,将来の進路もまた多様であり,彼らは可能性を秘めています。特に進路を考え始める中高生を対象に,将来の選択肢を広げる支援をいかに日本語教育の分野から携わっていけるか教育実践を通し考えていきたいと思っています。

自己紹介

関西外国語大学外国語学部英米語学科卒業,英語科教職免許取得。副専攻として日本語教員養成課程を修了。卒業後はアメリカの大学にて日本語クラスのティーチングアシスタントを,スウェーデンの大学では日本語講師を経験しました。スウェーデン滞在中,移民のための言語教育の重要性を知り,帰国後は移民に日本語を教えたいと思うようになりました。地域の日本語ボランティア活動やフォーラムに参加し,年少者日本語教育の重要性と年少者の可能性に魅力を感じ,大学院で年少者のための日本語教育を学びたいと思い進学しました。

大学院在籍中,中学・高等学校の日本語教育により従事するために国語科の免許を取得。

修了後

大学院修了後は,台湾系各種学校,早稲田大学日本語教育センターの非常勤講師を経て、現在,バンコク日本人学校の日本語指導教員として勤務しています。

研究業績

論文
  • 横山愛子(2012).『JSL高校生のライフコースを支えるための日本語教育の在り方――日本語を学ぶ意味を共に考える実践から』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
  • 黒田史彦,古賀和恵,坂田麗子,武一美,古屋憲章,栁田直美,相浦裕希,山本由紀子,横山愛子(2011).日本語学習ポートフォリオの構築に向けて――日本語学習ポートフォリオ運用活動プロジェクト報告.細川英雄『日本語センター及び日研におけるポートフォリオ実施のための理論と実践』(pp. 5-48)早稲田大学日本語教育研究センター一般研究(2010年度重点研究).
  • 横山愛子(2011).JSL高校生の日本語学習の意味づけを考える――X高校における「ライフストーリーインタビュー」活動からの一考察『年少者日本語教育実践研究』16,44-54.
  • 横山愛子(2010).「なりたい自分」をともに考える支援者を目指して『年少者日本語教育実践研究』15,36-43.
研究発表
  • 横山愛子(2012年8月18日).「不安の捉え直しを通して自らの学びを見出すための日本語教育――JSL高校生を対象とした放課後支援の取り組みから」(ポスター発表)日本語教育国際研究大会(名古屋大学).
  • 横山愛子,人見美佳(2012年6月23日).「高校の日本語教育における将来を見据えた実践から考える――私にとって『アカデミック・ジャパニーズ』とは何か」(口頭発表)アカデミック・ジャパニーズ・グループ研究会(早稲田大学).
  • 横山愛子(2012年3月4日).「JSL高校生のアイデンティティ形成を支える日本語教育――不安からなりたい自分を描く教育実践を通して」(口頭発表)「移動する子どもたち」のことばとアイデンティティ国際研究集会(東京:早稲田大学).
  • 横山愛子(2011年9月25日).「日本語支援をJSL 高校生の意味づけから考える――ことばの力の育成から将来を切り開く力につなげる教育」(ポスター発表)早稲田大学日本語教育学会2011年秋季大会(東京:早稲田大学).
  • 横山愛子(2011年2月24日).「JSL高校生の日本語学習の意味づけを考える――X高校における『ライフストーリーインタビュー』活動から」第2回関東:年少者日本語教育研究フォーラム(東京:早稲田大学).
そのほか
  • 尾関史,山崎尚子,横山愛子(2012年2月11日).「子どもたちのことばを関係の中で育む――子どもたちのことばの学びをどう捉え・どう支えるか」平成23年度文化庁日本語教育委託事業・玉川大学主催「定住外国人親子に対する日本語指導者養成講座」(玉川大学).