新着情報――福島青史研究室
お知らせ
出版報告:福島青史(2022年4月)「移民と戦争の記憶――ことばが海を渡る」『複数の言語で生きて死ぬ』山本冴里編著 くろしお出版
福島よりコメント
編者の山本冴里さんに誘ってもらって一章書きました。
論文とは違ったスタイルで書かせてもらい、これまでに書いたことのないものです。よい経験になりました。
本稿執筆時にはウクライナでの戦争は起きておらず、ここでの「戦争」は、20世紀の戦争です。ただ、言葉と戦争の関係はあまり変わっていないように思います。
ひとたび戦争が始まってしまえば、言葉は戦争の戦略的な武器にもなりえます。
喧しい戦争に関する言葉の氾濫の中で、私たちが耳を澄まして聞きとらなければならない言葉は何か?
引き続き考えていきたいと思います。
最近の研修等の報告
- 2022年3月26日
- Japanese language in career development,オンラインセミナー『西バルカン地域における日本語学習者のためのキャリアデザイン』サラエボ大学哲学部
- 2022年2月19日
- 「言語政策と言語教育の間で――シティズンシップ教育としての日本語教育」VECセミナー『学び合いから始める多文化共生』第6回
- 2021年9月11~12日
- 「南米の日本語教育~言語政策と発達・承認の観点から」第7回南米スペイン語圏日本語教育会議
福島よりコメント
これらの講演会、研修は定員が決まっていたこともあり、このウェブページでは広報しませんでした。
引き続き「海外の日本語教育」「継承語教育」「日系社会」「シティズンシップ教育」の研究を続けています。
研修会では日本語教育推進法の影響からか、継承語関連のテーマも増えてきました。今回の講演会ではエリクソンを援用し「発達」の観点から考えてみました。
この「発達」とは人が子供から大人になるような個人的な「発展」の意味もありますが、移民が世代を超えて変化していく「発展」もあります。人が成長して、だんだん「自分自身」になる際に、自分が引き継いできたものと、未来に残そうとするものが何なのかを考えるようになります。
いくつかの時間軸で現在を捉えることで、ことばの意味づけの多様性が見えてくると思います。