本間祥子(ほんま しょうこ)

2019年3月博士号取得

研究・関心分野

博士論文では,グローバル化の加速する現代において,日本語を学ぶ子どもたちへのことばの教育がどのように行われるべきなのかを,実践研究を通じて考察しました。固定的な場所に適応・定着することが正常であるという従来の視点に問題提起し,「複数言語環境で生きる子どもの生活世界」という視点から教育実践を構想することの重要性を主張しました。

今後も,さまざまな言語文化背景をもつ子どもたちのことばの力をどのように育てていくのかを,実践をとおして考えていきたいと思います。

学位論文

  • 本間祥子(2019).『複数言語環境で生きる子どもの生活世界から構想する年少者日本語教育』早稲田大学大学院日本語教育研究科博士論文(未公刊).
  • 本間祥子(2012).『親,教師,支援者との関係性から探る子どもの主体性とことばの学び――複数言語とともに生きる力を育む年少者日本語教育』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

自己紹介

早稲田大学第一文学部・総合人文学科・英文学専修卒業(副専攻:日本語教育学研究)。留学先のアメリカで日本語を学ぶ子どもたちに出会った経験から日本語教育に関心をもち,修士課程に進学しました。修士課程修了後は,シンガポール日本人学校およびシンガポール日本語補習授業校にて,専任教員として勤務しました。帰国後の2016年4月に博士後期課程に進学し,2019年3月に博士号を取得しました。

2018年4月より早稲田大学大学院日本語教育研究科助手,2019年4月からは助教として勤務します。

研究業績

著書

  • 川上郁雄,人見美佳,上原龍彦,大森麻紀,本間祥子(2015).日本語を学ぶ子どもたちの震災後――心とことばの学習を支える実践研究.鎌田薫(監)『震災後に考える――東日本大震災と向き合う92の分析と提言』(pp. 984-992)早稲田大学出版部.[抜き刷りをダウンロード:PDF

論文

  • 本間祥子(2018).子どもたちが「移動しながら生きる自分と向き合う」授業実践――シンガポール日本人学校の事例から.川上郁雄・三宅和子・岩﨑典子(編)『移動とことば』(pp. 87-105)くろしお出版.
  • 本間祥子(2018).日本語を学ぶ子どもたちへのことばの教育は何を目指すのか――学校現場における年少者日本語教育実践の変革に向けて『早稲田日本語教育学』24,181-200.
  • 本間祥子(2017).日本語を学ぶ子どもが書くことを通して自らの生と向き合うプロセス――中等教育機関における作文の授業実践からの示唆『早稲田日本語教育学』23,73-92.
  • 本間祥子(2017).[書評]どのような教育実践を目指すのかという絶え間ない問いと葛藤――金井香里(2012)『ニューカマーの子どものいる教室――教師の認知と思考』勁草書房『ジャーナル「移動する子どもたち」――ことばの教育を創発する』8,20-28.https://gsjal.jp/childforum/dat/jccb08-2.pdf
  • 本間祥子(2016).[書評]尾関史(2013)『子どもたちはいつ日本語を学ぶのか――複数言語環境を生きる子どもへの教育』ココ出版『早稲田日本語教育学』21,115-119.
  • 本間祥子(2015).[エッセイ]ことばを通して共有する世界――子どもたちが苦手な作文活動を振り返る『ジャーナル「移動する子どもたち」――ことばの教育を創発する』6,42-44.https://gsjal.jp/childforum/journal_06.html
  • 本間祥子(2013).複数言語環境にある親子はことばの学びをどのように捉えていたか.川上郁雄(編)『「移動する子ども」という記憶と力――ことばとアイデンティティ』(pp. 220-238)くろしお出版.
  • 本間祥子(2012).複数言語環境にある親子はことばを学ぶことをどのように捉えているか――複数のことばに対する意味付けの変容過程から探ることばの教育の可能性『ジャーナル「移動する子どもたち」――ことばの教育を創発する』3,73-90.https://gsjal.jp/childforum/journal_03.html
  • 大森麻紀,本間祥子(2012).[研究ノート]「本」の世界を通して心とことばの学びを支える試み――被災地での「せかい子ども音読大会」の実践から『ジャーナル「移動する子どもたち」――ことばの教育を創発する』3,109-119.https://gsjal.jp/childforum/journal_03.html
  • 本間祥子(2012).「主体性の言語学習実践」を支えることばの支援とは何か――「移動する子どもたち」のことばの意味付けをともに考える支援の可能性『年少者日本語教育実践研究』18,31-40.https://gsjal.jp/kawakami/youngjis18.html
  • 本間祥子(2011).複数言語のなかで生きる子どもたちの成長を支える日本語教育の可能性――子どもたちのことばの学びとその親の存在に注目して『年少者日本語教育実践研究』17,16-27.
  • 本間祥子(2011).小学校低学年の児童と共に創り上げる年少者日本語教育実践――相互主体的な関係を目指して『年少者日本語教育実践研究』16,56-65.

発表

  • 本間祥子(2019年1月13日).「日本語を学ぶ子どもたちの発達段階における書くことの意味」作文研究2018シンポジウム(東京:早稲田大学).
  • 本間祥子(2018年9月16日).「日本語を学ぶ子どもたちのことばとアイデンティティを支える教育実践――中学生を対象とした作文の授業実践から」早稲田大学日本語教育学会2018年秋季大会(東京:早稲田大学).
  • 本間祥子(2017年5月21日).「日本人学校における日本語教育実践を考える――複数言語環境で育つ子どもが自らの移動の経験を意味づける試みから」2017年度・日本語教育学会春季大会(東京:早稲田大学).
  • 本間祥子(2017年3月20日).「複言語で育つ子どもが書くことを通して自らの『生』を捉える授業実践」第7回年少者日本語教育研究フォーラム(東京:早稲田大学).
  • 本間祥子(2016年12月23日).「在外教育施設の教師は複数言語環境で育つ子どもたちをどのように捉えているか――日本人学校の教師たちの語りから見えたもの」第2回「移動とことば」研究会(東京:早稲田大学).
  • 本間祥子(2012年11月10日).「複数言語環境で成長する子どもはどのようにことばを学んでいるか――ある低学年児童の言語生活と日本語教育実践から」第8回日本語教育学会研究集会:東北地区(青森:弘前大学).
  • 本間祥子(2012年8月18日).「複数言語環境にある親子はことばの学習をどう捉えているか――ことばの意味付けの変容過程から探る年少者日本語教育実践」日本語教育国際研究大会(ICJLE2012)(愛知:名古屋大学).
  • 本間祥子(2012年3月24日).「年少者日本語教育における複数言語環境にある親子を捉える視点とは何か」早稲田大学日本語教育学会2012年春季大会(東京:早稲田大学).
  • 本間祥子(2012年3月4日).「親子にとってのことばの意味付けから考える年少者日本語教育」国際研究集会「移動する子どもたち」のことばとアイデンティティ――時間と空間,そして自己形成(東京:早稲田大学).
  • 大森麻紀,本間祥子,上原龍彦(2012年3月4日).「『本』の世界を通してことばの学びを考える――被災地での「せかい子ども音読大会」の実践から」国際研究集会「移動する子どもたち」のことばとアイデンティティ――時間と空間,そして自己形成(東京:早稲田大学).