修士課程 5期生

2003年春入学

北川 幸子(キタガワ サチコ)

大学では日本語学科に籍をおき,日本語を母語ではなく,ひとつの言語として初めて学びました。卒業後,シンガポールにある日本語学校に専任講師として就職,初級・中級のクラスレッスンや上級の個人レッスン,また日系企業への派遣レッスンなどを担当しました。一年勤めた後,帰国し,準備期間を経て,早稲田大学大学院日本語教育研究科に入学しました。

大学院の2年間では教育の現場を経験したことで得た視点を持ちながら,改めて様々な理論を学び,充実した時間を過ごしました。

2009年-
京都産業大学(常勤契約講師)
2008年-2009年
春学期:京都アメリカ大学コンソーシアム(KCJS)(専任講師)
夏:早稲田大学夏期日本語講座(契約講師)
秋学期:滋賀大学(非常勤講師)
2007年-2008年
夏:早稲田大学夏期日本語講座(契約講師)
秋学期:EUビジネスマン日本研修プログラム(日本語チューター),京都外国語大学(非常勤講師)
2005年-2007年
修士課程修了後,2005年より米国,アイオワ州にあるGrinnell Collegeにて二年間,客員講師を勤めました[実践報告]。早稲田大学はGrinnell Collegeの所属する私立大学連盟と提携しており,交換留学プログラムなどの交流もあります。

研究テーマ: 「日本語教育における助数詞」

日本語教育では「1枚」「2人」などの[数詞+助数詞]による表現をひとつの学習項目として扱っており,日本語能力試験でも4級の段階から助数詞の語彙が取り入れられている。しかし,助数詞がつく数詞に和語系,漢語系の区別があり,数詞との組み合わせによって複雑な音変化が生じたり,また名詞の表す事物によって使い分けが必要であったりするため,日本語学習者にとってはやや負担の重い学習項目となっている。初級日本語教科書の多くでは,わざわざ助数詞の課を設け,取り立てて助数詞を指導してきたが,それにもかかわらず,学習者が言語行動の中でなかなか使用につなげられていない現状があるというのはなぜであろうか。近年の生活スタイルの変化などから,助数詞を使う機会そのものが減ったとも推測されようし,あるいは初級日本語教科書の中の「助数詞」と,実際の使用の中の「助数詞」との間に何らかのずれがあることに起因しているとも推測される。実態との比較調査などを通し,教科書でのよりよい取り上げ方など,日本語教育における助数詞の指導について広く提言を行っていきたい。

学位論文
  • 北川幸子(2005).『日本語教育における助数詞――ドラマの脚本の分析を通して』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要: PDF

業績

論文
  • 渡辺史央,北川幸子(2012).学部留学生を対象としたBlended Learning型日本語聴解授業の実践とその検証――ディクテーションテストの誤答分析を通して『京都産業大学論集人文科学系列』45,165-184.
  • 渡辺史央,北川幸子(2010).学部留学生を対象としたMoodleを用いた聴解授業の実践報告『日本語教育方法研究会誌』17(2),46-47.
  • 北川幸子(2008).初級日本語教科書とドラマの脚本に見られる助数詞「つ」の使用『無差(京都外国語大学日本語学科研究会)』15,97-109.
  • 北川幸子(2005).日本語教育における助数詞の扱いの問題点――助数詞「本」を例に『日本語教育方法研究会誌』12(1),54-55.[Download: PDF
発表
  • 北川幸子(2007年11月11日).「初級コースにおけるShort Movie Projectの可能性」第1回国際表現言語学会(早稲田大学).
  • 北川幸子(2007年8月19日).「タスク先行型ロールプレイを用いた授業―Independent Study Courseでの試み」関西OPI研究会第6回国際OPIシンポジウム(大学コンソーシアム京都).
  • 北川幸子(2005年3月24日).「助数詞「つ」の用法と数えられる事物―初級日本語教科書とドラマの脚本の比較」早稲田大学日本語教育学会2005年春季大会(早稲田大学)[Download: PDF
その他