修士課程 23期生

2012年春入学

新井 康敏(アライ ヤストシ)

大学2年の冬に韓国へ短期留学をした際,パートナーになった現地の女の子の日本語が「なんだか変」なことに気づきました。しかし,どうして「変」なのか,どうしたら良いのかといったことが説明できず,もどかしい思いをしました。その時,日本語を教えるということに対して興味を持ち,半ば勢いで大学院の門を叩きました。

そんなわけで,日本語教育には片足を突っ込むどころか,指先に触れる程度の素人同然だった私ですが,実践研究やSENDプログラムを通して,少しずつですが実践の機会をいただいております。貴重な残りの期間を通して,さらに少しでも将来に役立つものを吸収できたらと思っています。

研究内容

教材としてアニメがどのように使われているかという現状を踏まえた上で,特徴を捉え,今後の可能性について考えます。

呉屋 由郁子(ゴヤ ユイコ)

子どものころからの夢は日本語教師になって海外で働くことでした。大学で日本語教育を副専攻として学び,在学中にタイとアイスランドでの日本語クラスTAを経て,卒業後,地元沖縄の日本語学校に勤め始めました。しかし,しばらくすると,日本語の学習が思うように進められない学習者や授業についていけない学習者の存在が気になってきました。どうやったら楽しく日本語を続けられるのか,何が原因で学習の躓きが起こっているのかを考えるようになり,それがきっかけで,大学院でもう一度日本語教育を捉え直そうと入学を決めました。

修士課程では,近年増加しているベトナム人初級日本語学習者を対象に,日本語学習における困難や課題を探っていきたいと考えています。学校によって事情や状況は違いますが,日本語学校に通う初級学習者の一事例として示すことを目的としています。

研究テーマ

外国語を学ぶ上で私にとって一番ネックになっていたのは,語彙を身に付けられないことでした。そして,私が今まで関わってきた学習者の中にも,語彙が思うように獲得できなくて悩んでいる人がいました。そういう学習者,中でも初級学習者に対して,日本語教師はどんなサポートができるのかを探っていこうと考えています。

ポスター発表

  • 呉屋由郁子(2014年3月29日).「ベトナム人留学生に対する日本語教育のための基礎的研究――インフォーマルな学習環境に着目して」早稲田日本語教育学会2014年春季大会研究発表会(早稲田大学)[『早稲田日本語教育学会2014年春季大会研究発表会資料集』(pp. 12-13)].

鈴木 広夏(スズキ ヒロカ)

小学生の頃,クラスに1人南米出身の友達がいて,授業後に教頭先生から日本語指導を受けているのを見て育ちました。今振り返ると,この出来事が私に日本語教育への興味を持たせてくれた最初のきっかけだったと思います。

中学校2年生の時,オーストラリアにホームステイをしたことがあったのですが,そこで海外で日本語が学ばれていることを知り,その事実に感動したのを覚えています。

そこで知り合った日本人のTAさんとお話をしているうちに,日本語教師という職業に興味を持ちました。大学生になって,留学先のフランスの大学で,日本語学科の学生や先生方と交流するうちに日本語教師になりたい,と思うようになり,大学院進学を決めました。

現場での経験がほとんどない私ですが,ボランティアやチューター,実践などを通して少しずつ経験を積んでおります。

将来の夢は,スペインで日本語を教えながらフラメンコレッスンを受けることです!

研究内容

日本に留学している日本語初級レベルの留学生が生活するのに必要な語彙にはどんなものがあるのかを調査し,留学生の生活や,留学生を取り巻く人たち(教師・近所の人など)のサポートに繋げていきたいと思っております。

孫 淵(ソン エン, Sun, Yuan)

中国の青島出身です。日本語力を磨くために,交換留学で2年間日本の大学に通っていました。そこで日本語教育に出会い,日本語教師という職業に魅力とやりがいを感じたので,大学を卒業した後,日本語教育研究科に入りました。

中国語と日本語の漢字が類似しているため,中国人学習者は日本語学習に有利であると思われがちです。ところが,日本語能力試験の成績統計を見たら,「読解」と「聴解」の成績の差に驚きました。中国人学習者は日本語を聞くと,漢字語の形を思い浮かべたり,母語と照り合わせたりすることが,情報処理のスピードが遅いことや理解に誤りが出ることの原因の一つになると言われる。聴解に出る母語の負の転移を抑えるために,教師はどのように工夫すれば良いかについて考えていきたいと思っております。

研究テーマ

漢字圏学習者を対象とする語彙指導における新出漢語の提示方法について

口頭発表

  • 孫淵(2014年3月15日).「中国人学習者に対して漢字語の「音」と「意味」の連結を強化する方法」第42回日本語教育方法研究会(横浜国立大学)[『日本語教育方法研究会誌』21(1),60-61].

ポスター発表

  • 孫淵(2014年3月29日).「中国人日本語学習者における漢字語の「音」と「意味」の連結を強化する方法の模索――アンケート調査を通して」早稲田大学日本語教育学会2014年春季大会研究発表会(早稲田大学)[『早稲田大学日本語教育学会2014年春季大会研究発表会資料集』(pp. 4-5)].