修士課程 29期生

2015年春入学

内海玲那(ウツミ レナ,Utsumi Rena)

私は幼い頃から日本の文化に興味があり,津軽三味線やお箏を習っていました。三味線を通して海外の方々と交流する機会があり,異文化コミュニケーションや国際交流にも興味を持つようになりました。高校生の頃に「日本人の知らない日本語」という漫画に出会い,日本語教育の存在を初めて知り,自分の特技を活かしつつ仕事が出来るのではないかと思い,大学にて日本語教員養成課程に所属し,日本語教育を勉強しました。しかし,自分の実力不足を実感し,もっと勉強したいと思い,進学の道を選びました。今は幅広く学び,たくさんのことにチャレンジしながら,研究に励んでいます。

研究内容

海外における日本語授業の中で,日本文化はどのように取り扱われているのかといった現状調査を踏まえ,今後日本文化を用いてどのような授業をしていくべきなのか,可能性を探りたいと思っています。

業績

発表
  • 内海玲那(2016年7月2日).「『日本文化』に対する日本語教師の意識と取り組み――海外日本語教育の現場における『文化』に着目して」(口頭発表)第119回次世代大学教育研究会(早稲田大学).
  • 内海玲那,佐藤京子(2016年3月13日).「日本語学校における防災教育の再考――日本語指導の一環として」(ポスター発表)日本英語教育学会第46回年次研究集会(早稲田大学).

勝山彩(カツヤマ アヤ,Katsuyama Aya)

学部生時代に米国へ留学した際,初めて日本語教育の現場を知り,帰国後は早稲田大学のCJLでボランティアに参加したのをきっかけとして,日本語教育に興味を持つようになりました。自身の留学経験や語学学習経験をもとに,日本語を学習する人々に対して自分はどのように貢献ができるのかについて模索しています。修士課程2学期目から日本語学校に勤務し始めたことで,理論と実践のより緊密な連携についても考えるようになりました。

研究内容

学習者は日本語において自分の伝達態度をどのように表現するのか。その問いに端を発し,現在は日本語のモダリティや,特に終助詞の習得に関する研究を進めています。助詞を有さない言語である英語,一方で終助詞を豊富に有するといわれるインドネシア語など学習者の背景は様々である中で,文末表現の教育はどのように行われるべきかという問題意識を持っています。

学位論文
  • 勝山彩(2017).『日本語学習者による日本語自然会話中の終助詞の使用実態――インドネシア語母語話者を対象として』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

曹軼男(ソウ イーナン,Cao Yinan)

中国の大学で日本語を勉強し始め,3年生の時に日本の大学に編入しました。大学で日本語教育の授業を受け,上・超級日本語学習者の学習動機をテーマに学部の卒業論文を作成しました。それがきっかけとなり,自律学習について興味を持ち始めました。学習者はいずれ教室という環境から離れなければなりません。上・超級の学習者の教室から離れた後の日本語学習の実態を明らかにし,教師や学校あるいは社会として提供できるサポートを考えたいと思います。

研究内容

現在は主に日本語学習者が教室外での日本語の学習及び使用について研究しております。修士論文では中国人日本語学習者がどのように日本語を書いているのかについて実態調査を行いました。とくに,検索エンジンを書く過程の中にどのように利用しているのかにフォーカスしました。

学位論文
  • 曹軼男(2016).『中国人日本語学習者の文章産出における検索エンジンの使用実態――作文に必要なサポートとは』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

滝口浩由(タキグチ ヒロユキ,TAKIGUCHI, Hiroyuki)

学部生の時は理工系学部に在籍しており,数学(解析学)を専攻していました。当時の友人(留学生)のレポートの日本語チェックをしたことがきっかけで日本語教育に関心を持つようになりました。理系出身ゆえ,新たな学問領域に困惑する毎日ですが,自分のバックグラウンドを活かした研究活動を行っていきたいと考えています。

研究内容

日本の大学(学部)での教育の中心は講義(例えば,理工系学部では基礎として数学の講義が提供されています。)であり,外国人留学生にはそれを理解するだけの日本語能力が求められます。しかし,入学前にそれを身に付けられる環境にある留学生は限られています。そこで数学講義動画作成を前提とし,学部入学前の理工系留学生が日本人学生向けの数学講義動画を視聴した際に生じる困難点とその原因を調査しました。

学位論文
  • 滝口浩由(2017).『理工系留学生の数学講義動画視聴における困難点――数学科出身の日本語教育専攻者による試み』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

業績

発表
  • 滝口浩由(2017年3月18日).「日本語による表現に起因する数学講義動画視聴の困難点――中国人理工系留学生に対する調査」第48回日本語教育方法研究会(宮城教育大学).
  • 滝口浩由(2015年10月4日).「日本語で数学を学ぶ留学生の内容理解を支えるサポートを考える――大学数学の基礎科目「微分積分」・「線形代数」に関して」電子情報通信学会 思考と言語研究会(早稲田大学).

Henry Maddox McCurdy(ヘンリー・マドックス・マカーディー)

出身はアメリカのニューヨーク市で,2009年から日本で暮らしてきました。最初の三年間,沖縄の公立高校で英語を教えながら,日本語を勉強し始めて,気が付くと日本語にすっかりはまっていました。英語の授業はよくティーム・ティーチングという形でやっていたため,私の側にいた日本人の英語の先生をよく観察して,非母語話者の先生も言語教育に独自の貢献ができるのだと気付きました。この気付きがきっかけとなって,英語教育をやめて,現在日本語教師を目指しています。

研究内容

主にあいさつ表現のような交感的な(英:「phatic」)コミュニケーション行為に関心を持っています。より大まかにいうと,ポライトネス論や語用論をどのように言語教育に応用できるかが私にとって興味深い課題の一つです。

学位論文
  • マカーディー,ヘンリー・マドックス(2017)『日本語学習者の,出会いと別れにおける「あいさつ」の仕方とその意識――「時間」,「場面」,「人間関係」の観点から』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

富永千裕(トミナガ チヒロ,Tominaga Chihiro)

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