修士課程 38期生

2019年9月入学

邱 宇(キュウ イ)

中国四川省出身です。

国内の専攻は日本語ではありませんでしたが,小さい頃から「名探偵コナン」というアニメを機に,日本語および日本に興味を持ち始めました。ですから,卒業した後,就職を希望しているのではなく,日本語を学びたい!というのは私のあの時の願望でした。

中国における日本語塾の先生に教わることにつれて,ますます日本語への興味が深くなりました上で,「日本語の語彙が難しい」「特に複合動詞が覚えられない」「とはいえ,複合動詞がかっこいい」「私も先生になりたい」「自分が先生になったらどう教えるのか」などの色々な感想が湧いてきました。日本語への関心プラス教師への憧れで,「日本に留学したい!」という決心をつけました。

気持ちがいつも強いですけど,日本語能力はまだまだ足りないと思いますので,これからもさらに努力していきたいと思っております。

研究内容

自分の日本語学習歴を振り返ってみると,やはり語彙が習得しにくいと痛感しました。授業に割かれる語彙時間が文法のような学習項目に比べて,とても短いです。しかし,語彙量に欠けると,日本語表現が乏しくなる恐れがあります。なお,私は会話表現を豊富にする複合動詞に惹かれながらも,悩まされています。

以上の様々な原因で,今は複合動詞の研究に取り組んでいます。具体的には,語彙的複合動詞の意味推測に関する語彙的複合動詞の語構造の影響を明らかにしたいと考えております。

鮑 徳怡(ホウ トクイ)

38期の鮑徳怡(ホウトクイ)と申します。出身地は中国の蘇州です。

高校のとき日本のアニメや音楽を好きになって大学の専攻を日本語にしました。三年次は大阪に留学して編入生として経済学部に入りました。卒業してからは帰国して,しばらく日本語入門の教師として働いて,そのあと別の科目を担当していました。でもやはり日本語に興味を持っているので,また日本に留学に来ました。

日本語教育に関する知識や技能をきちんと身につけるように頑張りたいと思っています。

研究内容

日本語を学んでいる学習者にとって,母語では簡単に言えたことが,日本語にすると,言いにくくなって結局言えなかったことがあると思います。この「言いたかったが言いにくくて結局言えなかった」ことについて,中国人留学生を対象にして研究をしたいと思っています。

在國寺 翔平(ZAIKOKUJI, Shohei

学部生時代に,日本語教師を「仕事をしながら海外を回れる」魅力的な仕事だと感じ,養成講座に通い始めました。大学卒業後からこれまで,日本語ボランティア教室,国内での日本語学校の非常勤・常勤講師,さらに青年海外協力隊隊員として海外の日本語教育の場など,様々な視点から日本語教育に携わってきました。

大学院進学を考えたのは,この海外での経験からです。国内で働いていた時は,中国からの中上級の留学生を担当していたため,1から「言葉を教える」という経験があまりありませんでした。しかし,協力隊として赴いた国は非漢字圏,もちろん日本語を全く勉強したことがないゼロ初級の学習者が対象でした。ひらがなカタカナの授業から始まり,2年間で漢字を200字ほど教えることができました。その間常に感じていたことは,「学習者が言葉を覚える」とは,どのような過程を経ているのだろうか,そして膨大な量の言葉を体系的に教える(覚える)有効な方法はないのだろうか,ということでした。そこに昨今は「コロナ禍」という要素も加わり,「オンライン上で動機を保ちながら言葉を覚えるために,教師はどのような学習支援ができるのだろうか」ということに興味を持っています。

研究内容

上記の学習課題を解明するために「オンライン多義動詞学習会」という実践活動を行い,その活動において学習者にどのような変化が見られたかということを調査しています。この実践活動が先駆けとなり,学習者の自由な時間に気軽に参加できる「オンラインスクール」のような学習手段が構築できればと考えています。