沈 希津(しむ ひじん)

2019年4月入学

研究テーマ

特殊拍の習得に影響する要因は何か――初級の韓国人学習者のテ形習得の観点から

学位論文

  • 沈希津(2019).『初級韓国人学習者の特殊拍の習得研究――動詞のテ形に着目して』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文.[概要書

業績

研究発表

  • 沈希津(2021年3月).「初級韓国人学習者の動詞活用における特殊拍の生成――テ形活用における誤用のパターンから」早稲田大学日本語教育学会(オンライン).
  • 印省熙,沈希津,徐映京(2021年11月).「韓国語オンライン授業の事例――TAとLAの学修支援を含めて」日本韓国語教育学会(オンライン).
  • 印省熙,Wei Zuo,徐映京,沈希津(2019年9月).「授業におけるTAの役割と活動について」朝鮮語教育学会・朝鮮語研究会合同大会(東京大学).
  • 沈希津(2019年4月).「動詞テ形に現れる特殊拍の生成――初級韓国人日本語学習者を中心に」韓国日語教育学会(明知専門大学).

メッセージ

(2019年3月,日研修士課程修了生総代スピーチより)

皆様,こんにちは。ご紹介いただきましたシム・ヒジンと申します。本日を迎えるにあたって,まず,諸先生方におかれまして,理論・実践授業だけでなく,毎週の演習を通してご指導いただきましたこと,修了生一同心より御礼申し上げます。

私自身,とくに,今日この場にはいらっしゃらないのですが,私が委託履修生としての1年間,修士課程生として1年半の間,ご指導いただきました戸田貴子先生に,心よりお礼申しあげます。学部生活が終わったばかりで,何も知らなかった私に,研究の楽しさ,仲間の大切さを教えてくださいました。また,戸田先生がサバティカルで海外に行かれた,論文を書き上げる最後の学期,ご多忙の中でも細かくご指導くださったリジェホ先生にも,深く感謝いたします。研究者が,自分の研究に対して責任をもって取り組むことの大事さを教えていただきました。

そして,私の研究を最初から見守ってくださり,丁寧にコメントしてくださった戸田研究室の皆様,修士論文の執筆過程において最後まで暖かく応援してくださった李研究室の皆様にも,この場を借りてお礼申し上げます。いつも思っていることですが,過分なお心遣いと励ましのおかげで,本日を迎えることができました。

日研で過ごした3年間,私の中で最も大きく変わってきたことについて申し上げたいと思います。それは,「日本語教育」を捉える視点であります。私は,韓国の大学で日本語を専門にする一方,教職課程を履修することになり,はじめて教育という分野に目覚めました。当時の私にとって日本語教育とは,「ひらがなの「あ」と「お」は似ているように見えるけど,右上の点の有無によって違う」ということや,「韓国語とは違って,「友達を会う」ではなく,「友達に会う」と言う」などを教える分野でした。さらに,私にとっての学習者は,学校で良い成績をもらうために教師の講義に集中する学生たちであり,学習の場といわれて浮かべるのは教室ないし日本語学校くらいに限られておりました。

しかし,日研に入り,多岐にわたる実践授業を向かい合い,日本語教育研究センターに集まった,学習目的も学習環境も様々な学習者らに出会ったとき,驚きと新しい気付きの連続でした。今になってもまだ,日本語教育の全体像を理解するには先が遠いのですが,3年間直接拝見し,身をもって体験し,「日本語教育」についてより広く,時には深く考える機会をたくさん得られたと思います。振り返ってみると,日研に入ってよかったと心から思っております。

最後になりますが,大学4年生のある日突然「日本に留学するから」と通報した娘を,「あなたの将来はあなたが願う通りにすればいい」と,クールに応援してくれた家族にも,深く感謝いたします。

平成31年3月26日
早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士課程修了生総代
シム ヒジン