2006年4月入学(11期生)
鮮于媚(ソヌ ミ)
研究テーマ:促音の知覚において先行母音長が与える影響――韓国人日本語学習者を中心に
1.研究背景
日本語学習者の日本語の音声習得において,長音・促音・撥音,いわゆる特殊拍の習得は大変困難である。中でも韓国人日本語学習者の場合,促音の生成および知覚の習得上の問題がしばしば指摘されている。促音の生成の場合,促音の脱落および挿入,両面から指摘されている。なお,知覚の面では,促音の無音区間の長さを調整し,聴取実験を行った結果,物理的な長さをカテゴリ化できないという結果であった。つまり,韓国人日本語学習者にとっては促音の生成・知覚の両面からより綿密に調べる必要がある。
では,韓国人日本語学習者は2拍語(非促音語)から3拍語(促音語)もしくは3拍語(促音語)から2拍語(非促音語)を区別する基準はなんだろうか。促音の無音区間の知覚において無音区間,以外の音環境に影響を受けているのではないか。当然なことながら,促音語だと知覚するために必要とする無音区間は絶対値ではない。実際,日本語母語話者を対象とした実験でも,発話速度,先行母音,後続子音,後続母音,アクセントなど,その音環境によって促音語と非促音語を区別する境界値は流動性を持っていることが報告された。しかし,韓国人日本語学習者を対象とした知覚調査は見当たらない。それで,本研究では,韓国人日本語学習者を対象とし,促音の知覚に関する研究を行うことにした。中でも,先行母音が促音の知覚に与える影響を明らかにすることにする。
2.研究の目的
研究目的は以下の通りである。
- 韓国人日本語学習者が促音の習得の過程において促音語と非促音語を区別する際の判断基準を明らかにすることである。
- 促音・非促音語の知覚をする際に,その先行母音が与える影響を明らかにする。
エッセイ
そのほか
- 出身地:韓国・ソウル
呂海茜(ロ カイセン)
研究テーマ:韻律における語アクセントの影響――台湾人日本語学習者を対象に
そのほか
- 出身地:台湾