10期生の皆さんへ

10期生のみなさん,ご入学おめでとうございます。音声コミュニケーション研究室の戸田貴子です。日本語教育研究科では,理論研究音声・音韻I,理論研究音声・音韻II,実践研究8(音声教育),演習,研究指導を担当しています。シラバス等はホームページに掲載されておりますので,ご参照ください。

2001年度に開設された大学院日本語教育研究科は急速に進化し,様々な試みがなされてきました。早稲田大学日本語教育学会や音声コミュニケーション研究室主催の「日本語教育と音声」研究会などを立ち上げ,現在はより広い意見交流や研究発表の場が設けられています。

また,現在は修了生が世界の様々な国や地域で活躍しています。この5年間の進化の過程は,まるで砂漠のように何もないところから小さな芽が出て,木が育っていく過程に似ているような気がします。この木の根の広がりは,まさに世界に広がる日研生のネットワークです。みなさんの力で,ぜひこの木をより大きく育て,森林へと成長するまで見守っていただきたいと願っています。

なお,在学中に心に留めておいていただきたいメッセージが二つあります。一つ目は,受身で与えられた課題をこなすだけではなく,自らが積極的に様々な活動に関わっていくことです。上記の学会・研究会,また学外における学会参加などは,最新の研究動向を学ぶ機会でもあります。

二つ目は,常に視野を広げ,学ぶ姿勢を持つことです。日本語教育研究科には各領域の専門家が揃っています。この恵まれた環境の中で,日本語教育に関して幅広い知識を得ることができます。ただ,これは「広く浅く」ということではなく,専門性を高める努力をすることも非常に重要だと考えます。それは,日本語教育現場で即戦力になるとともに,将来的には各自の専門領域において学術貢献ができる人材が求められているからです。

では,実り多い大学院生活を送られるよう,みなさんの積極的な参加を期待します。

戸田貴子