担当講義より

大学院生指導方針 ― 蒲谷宏

私の研究教育指導に対する基本的な立場・姿勢は,みなさんが「自立した研究教育者」となる,そのための協力者・支援者であるということです。

「自立した」というのは,研究教育において,自立できていること,自律的に行動ができること,という意味を表しています。すなわち,他者に依存せずに,自らの判断で適切な研究教育活動ができること,そして自らの行動に自らが責任を持つということです。

また,「研究教育者」というのは,研究と教育とが自らの中で連動したものとして位置づけられている人を意味します。

自立した研究教育者である,というのは,自分勝手に行動する,他者の意見に耳を貸さない,唯我独尊という姿勢とは,まったく異なるものです。いろいろな人々との交流,相互に協力し合うことなどを通じて,真に「自立した研究教育者」になり得るのだと思います。

演習で行う修士論文・博士論文に関する「研究指導」では,修士論文・博士論文の執筆・作成に関する指導が中心となります。論文についても,当然のことながら,実際に執筆するのは自分自身であり,私はあくまでもそれを支援するだけです。いわゆる「手取り足取り」の指導はしません。自らの問題意識を明確に捉え,大きな目標に向かって一歩一歩進んでいく姿勢が大切だと思っています。