新着情報――宮崎里司研究室

お知らせ

特別研究期間制度(サバティカル)適用によるお知らせ

この度,宮崎は,早稲田の特別研究期間制度の適用者となったため,2016年3月末より1年間,off campusでの研究活動となります。

具体的には,4月からは,アカデミック・ビジター(academic visitor)として,メルボルン大学(Uni. of Melbourne, Asia Institute)に所属し,8月からは,9月に開学予定の,ベトナム国家大学(Vietnam National University)傘下の日越大学(Vietnam Japan University)における日本語教育プログラム総括として[関連記事],ハノイに2か月程赴任するとともに,いくつかの大学(ハノイ外国語大学ハノイ大学FPT大学,等)でも,特任または特別顧問として,講演や集中講義,カリキュラム・アドバイザーなどに従事します。その間,研究調査等で,いくつかのアジアの国々を訪問しますが,10月からは,天津外国語大学大学院の客座教授(客員教授)として滞在する予定です。

なお,10月末からは,4月から就任した,東京大学国際高等研究所(UTIAS)サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)客員教授ならびに,京都大学文学研究科教育研究機関研究員として,Immigration Policy(移民政策)やLanguage Policy(言語政策),さらには,Sustainability Science(持続可能性を目指した超学的学術)やForeign Care-worker(外国人介護従事者)や,Foreign InmatesのCorrectional treatment(矯正処遇)の研究に従事する計画です。また,その間,日越大学の業務関連で渡越し,グローバル大学を目指す,ベトナムのCenter of Excellence政策の中で,日本語教育の果たす役割を,アカデミックな立場から参加しながら検証していきたいと思います。

“日越大学”の日本側幹事大学として,早稲田大学を宮崎が代表し,日本語教育の総括責任者に就任しました

資料1日越大学(Vietnam Japan University)は,2013年12月15日,安倍晋三内閣総理大臣及びグエン・タン・ズン首相の日越首脳会談で「構想の早期実現」につき合意されたもので,翌2014年3月18日,チュオン・タン・サン国家主席(大統領)が国賓として来日した際に締結した日越共同宣言において,両国が協力をしていくことが確認されました。

資料2日越大学は,先端技術・総合科学分野および人文社会における研究成果において,世界トップレベルの高等教育機関を目指すとともに,ベトナムと日系企業の要求に対応できる国際水準を満たす質の高い人材を輩出することを目的とし,ベトナム国家大学(ハノイ国家大学)[*1]の7つ目の総合研究大学院大学として2016年9月に開設します。それに伴い,まずは,社会基盤,環境技術,ナノテクノロジー,地域研究,公共政策,企業管理の6領域を開設し,修士課程120名(各領域20名)の募集を開始します。その後,気候変動,新エネルギー,宇宙工学,分子医薬学の分野の研究科の増設を視野に入れながら,博士課程,学部を順次開設し,最終的には,6,000人規模の総合大学となる予定です。それに伴い,数年後には,ハノイ中心部より西へ30km離れたホアラック・ハイテックパーク(HHTP)に予定されている,75ヘクタールのキャンパスに移転します。

このプロジェクトを遂行するに当たり,早稲田大学は,日越交流を学術面から促進する役割を果たすべく,JICA(国際協力機構)より,日本側幹事大学[*2]としての参加依頼を受け,重要な教育言語のひとつとなる日本語教育プログラムのカリキュラムデザインの要請を受けるに至りました。宮崎は,こうした要請のなかで,2014年の準備段階から,十全的に関わってきていたため,日本語教育政策のグローバル化を実践すべく,2020年までの5年間,プログラム責任者(総括)として就任し,総額1億2,000万円のプロジェクトを受託することになりました。

感謝状2015年12月12日には,越日大学修士プログラム紹介式典が,日越大学本部で行われ,その際にも,宮崎は,黒田国際部長他と共に列席し,日本語教育プログラムについて説明してきました[参考記事 >](右図はベトナム国家大学学長からの感謝状)。

2016年9月の開設を控え,早稲田の重点研究教育分野の世界貢献を見据えながら,この日本語教育プログラムを支える,「チーム宮崎」の紹介とともに,定期的に発信していきます。

  • [*1] ハノイ国家大学の組織として,外国語大学,自然科学大学,人文社会科学大学,科学技術大学,経済大学,教育大学の6大学を有する。そのほかに,直属学部,附属研究機関・センター,図書館等合計43の組織から構成されている。
  • [*2] 幹事校は,東京大学,大阪大学,筑波大学,横浜国立大学,立命館大学を加えた6大学,他に協力校として京都大学なども参加予定

関連記事「日越大学6領域の修士プログラム」
ベトナム『教育&時代新聞』2015年12月12日号より翻訳

■翻訳者:Sai Thi May(日本語教育研究科院生.ホーチミン国家大学 人文社会大学出身)

Photo本日(12月12日)ハノイにて2016年に開校する予定の越日大学修士プログラム紹介式典が行われた。

式典は,ハノイ国家大学及び国際協力機構(JICA)により主催され,東京大学,大坂大学,早稲田大学,横浜国立大学,筑波大学,立命館大学といった日本の一流大学の代表者をはじめ,ベトナムの各省庁,地方,企業の代表者300名も出席した。

式典では,日本のパートナー大学とベトナム側の代表者が,日越大学の教育内容を紹介し,ベトナムと日本の企業とも協力体制を構築し,それらの企業は優秀な修了生を採用することが可能であると述べた。

各領域においてハノイ国家大学の教授及びパートナーの日本の大学の教授は,入試,カリキュラム,教育の質の保証条件,奨学金,就職の機会などを説明した。

日越大学は,2016年のはじめに入試が始まり,2016年の秋に開校を予定しており,ナノテクノロジー,環境技術,社会基盤,地域研究,公共政策,企業管理の各分野それぞれ20名募集する。これらの分野のカリキュラムは,持続的な発展を目指し,日本の名門大学から支援を受け,ある程度ベトナムの状況に適するよう調整されたものである。

入学生は,国際的な環境で日本とベトナムの一流大学の教授,研究者の授業を受け,必要な最新知識を得ることができる。また,実験のラボ等ベトナム国家大学傘下大学が整備された設備を用い,実践と理論をベースに専門知識,創造的思考,持続的な広い視野を深めることもできる。

修士課程修了後,修了生は,日本の大学をはじめ,世界の名門大学の博士課程出願の資格を満たす。さらに,優秀な人材に対するベトナム国内外の政府機関,組織,企業,特にベトナムの日系企業のニーズに応えられると期待される。

紹介式典にてハノイ国家大学フン・スアン・ニャ総長は,日越大学の設立が,日本とベトナムの友好関係の緊密化を表すだけではなく,日本とベトナムの一流大学からの教授,研究者の参加により6つのプログラムが成功できると確信していると述べた。

ハノイ国家大学フン・スアン・ニャ総長は,ベトナムと日本の政府をはじめ,日本側とベトナム側の関連省庁・機関の協力,特に日本のパートナー大学の教授,JICAの専門家及びハノイ国家大学の教授,職員等多くの関係者の尽力により,日越大学6つの修士プログラムの設立ができたことにお礼の挨拶をした。

日越大学(ハノイ国家大学の傘下)は,2014年7月にベトナムの首相から設立の許可を得た。インフラの整備に充実したハノイ国家大学の質の高い教育を継承しながら,日本とベトナムの2政府をはじめ,ハノイ国家大学の傘下の大学の支援を受け,近い将来国際レベルの大学になる目標を目指している。

日越大学の教育プログラムは,ハノイ国家大学の一流の教育研究所の教授,専門家が日本の一流大学の教授,専門家と取り組んで作られたもののため,日本の教育の強みを生かしながらベトナムのニーズに応える優秀な人材の育成に力を入れる。

【移民・難民政策】2015年中東日本語教育セミナー,参加報告

毎日新聞より宮崎は,2015年中東日本語教育セミナー(国際交流基金カイロ日本文化センター 8月16日,17日)に招聘され,基調講演「海外で学ぶ日本事情と日本語教育」ならびにワークショップ「E-Learningから学ぶ自律学習」を担当しました。その折,現在,ダマスカス大学で日本語を教える二人のシリア人教師も受講として参加していました。まさに戦火を潜って,セミナーに参加し,その熱心な受講ぶりが印象的でした。その様子が,新聞に掲載されたのでお知らせする次第です(『毎日新聞』2015年8月18日付夕刊5面:許諾を得て転載[ダウンロード:JPEG])。

現在,難民もしくは母国内で避難民となっている人数は全世界で約5,950万人にも上り,国連は,戦闘などに巻き込まれ,居住先を失ったシリアの住民が約1,060万人に達したと報告しています。つまり,5人に1人がシリア人という計算になり,シリアから逃れた住民数は国際社会では近年にない規模となっています。この数は,2011年の内戦開始前の総人口の約半数に当たるということで,内乱を逃れ出国したシリア人の大多数は国連に難民登録しており,国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると,その数は約410万人になるとのことです。

こうした世界の情勢を,日本語教育に関わる一人として,移民・難民政策の観点から,強く感じ取った出張でした。

【外国人受刑者】日本語教育学会パネルセッションで発表します「外国人受刑者の矯正処遇の課題――刑事施設に収容されるF指標受刑者への日本語指導の意義」

公益社団法人日本語教育学会2015年度春季大会[5月30日(土)武蔵野大学有明キャンパス]のパネルセッション(16:00~18:00)にて以下の発表をします。

  • 外国人受刑者の矯正処遇の課題――刑事施設に収容されるF指標受刑者への日本語指導の意義

現在,当研究室の代表者が,法務省矯正局成人矯正課との日本語プロジェクトに関わっている関係から,外国人受刑者(F指標受刑者)のための日本語教育関連で連携を図っている,府中刑務所教育専門官の谷澤正次氏,ならびに国連アジア極東犯罪防止研修所教官の吉村幸司氏とともに,国内の刑事施設に収容されている外国人受刑者の矯正処遇における日本語指導の課題について発信します。

詳細情報

【介護福祉士】厚労省副大臣に要望書を手渡してきました

介護福祉士国家試験における「全ての漢字にふりがなを付記した試験問題」の配布対象者を拡大する要望書

要望書:PDF2015年2月13日,すみだ日本語教育支援の会会長として,永岡桂子厚生労働副大臣に,「介護福祉士国家試験における『全ての漢字にふりがなを付記した試験問題』の配布対象者を拡大する要望書」[PDF]を手渡してきました。

今回の機会は,東京都墨田区を拠点に活動している,NPO法人のてーねん・どすこい倶楽部のメンバーである柳田恭子さんが懇意にしている,松島みどり衆議院議員の仲介で,実現した次第です。

同行者として,日本在住27年になる,介護ヘルパーの疋島(ひきしま)ヘルミニアさん(永住資格取得のフィリピン人),社会福祉法人賛育会墨田区特別養護老人ホームたちばなホーム施設長の羽生隆司さん,すみだ日本語教育支援の会日本語講師の中野玲子さん,宇津木晶さんとともに陳情してきました。

松島議員のお骨寄りにより,ちょうどお時間のあった,塩崎恭久(やすひさ)厚生労働大臣にも暫時面会することができ,EPA看護師・介護福祉士候補者だけではなく,今後とも,日本において,医療福祉分野で役割参加する外国人従事者にも,配慮するように強く要請してきました。

その後,永岡副大臣とも面会し,同様な陳情をしてきました。永岡議員は,北関東ブロック選出の衆議院議員ですが,ちょうどその地域にある,社会福祉法人芳香会青嵐荘特別養護老人ホーム青嵐荘療護園で研修しているEPAの候補者の日本語指導を担当していた,宮崎研修了生の田中奈緒さん(ヒューマンアカデミー講師)を紹介した関係から,理事長の宇留野光子理事長とも懇意にしていらっしゃることから,先月も懇談させていただきました。

今回の陳情も含め,これまでの宮崎の活動から,日本語教育は,こうした活動を,積極的に果たしていかなければならないと改めて認識した次第です。

photo

【遠隔教育】インドネシア教育大学(UPI)との接続実験

Photo2014年5月21日(水)に,宮崎が担当する日本語教育実践研究にて,台湾の淡江大学(担当,堀越和男先生)との遠隔共同大学院ゼミに引き続き,インドネシア教育大学(UPI)との接続実験(担当,Diannni Risda先生)を行いました。

PhotoUPI側は,日研修了生で,現在国際交流基金から上級専門家として派遣されている三上京子先生も出席していただきました。今回初めての試みでしたが,Polycom による接続は良好で,淡江との3地点の遠隔交流も問題なく試みることができました。こうした遠隔交流を試みることにより,日本を中心と考える,「本家主義的」かつ「拝日主義的」な日本語教育観の在り方を問い直していきたいと思います。

【参加者募集】早大公認サークル「早稲田宝生会」

宮崎が会長を務める早大公認サークル(同好会:6D-105)の「早稲田宝生会」は,能を実践するサークルです。日本人学生をはじめ,留学生にも,謡いや舞を通した実践に参加してもらいたいと思います。なお,能楽は,2008年,日本で初めて,ユネスコの世界無形文化遺産に登録されています[参考:無形文化遺産オンライン

  • 未経験者,留学生歓迎,学年不問
  • 準備するのは足袋だけ
  • 着物が着られるようになる
  • 他大,他流とも交流あり

未経験者や留学生大歓迎。学年も問いません。必要なのは足袋だけ。稽古は玄人の先生がボランティアでつけてくれます。能に限らず,舞台・芸術が好きな方,着物を着てみたい方,ちょっと足を運んでみませんか?

【研究紹介】宮崎里司の研究紹介ビデオを公開中