実践:能に親しむ 謡曲・仕舞へのいざない

早稲田大学オープン教育センター開講科目(※本講座は,一丸與志雄氏の協力に基づいて開設される提携講座です。)

シラバス

目的

本講座は,伝統古典演劇である能楽を,講義を通して理解を深めるとともに,謡いや仕舞を,能楽師による本格的な稽古を通して実体験する,活動型実践クラスをめざす。具体的には,講義の最後において,能楽堂(宝生能楽堂:文京区本郷)の舞台で,受講生による謡いや仕舞の発表会を企画し,能の世界を,より身近に味わうことを目的とする。古より受け継がれてきた演劇に宿る精神文化(traditional Japanese spirit)を学ぶことで,日本を理解する場の提供も目的とするため,日本人に限らず,優れた文化遺産に触れたい留学生の積極的な参加を期待する。

概要については,講義と実践との複合型クラスを企画し,受講生には,能の実践を実体験してもらうカリキュラムをデザインする。具体的には,伝統演劇としての能に関する一般講義,演劇博物館見学,宝生能楽堂(文京区本郷)見学ならびに観劇,学生会館にある能舞台での,謡い・仕舞の稽古実践,能楽堂でのグループ発表会も企画する予定である。

授業計画

  1. オリエンテーション,ゲスト講師紹介(宝生流の能楽師:小倉健太郎師)
  2. 稽古舞台見学および講義
  3. 稽古舞台での講義,実習,ゲストスピーカーセッション
  4. 宝生能楽堂見学(文京区本郷1-5-9)
  5. 稽古舞台での講義,実習
  6. 稽古舞台での講義,実習
  7. 宝生能楽堂での講義,実習,ゲストスピーカーセッション
  8. 稽古舞台での講義,実習
  9. 稽古舞台での講義,実習
  10. 稽古舞台での講義,実習
  11. 宝生能楽堂での講義,実習,ゲストスピーカーセッション
  12. 稽古舞台での講義,実習
  13. 稽古舞台での講義,実習
  14. 稽古舞台での講義,実習
  15. 宝生能楽堂での発表会(シテ方宝流第二十代宗家,宝生和英師(予定)による講評)

教科書・参考文献

  • 教科書: 宝生流謡曲謡本『紅葉狩』,『羽衣』
  • プリントなどは,必要に応じ,クラスで配布する。
  • 小林保治(編),戸井田道三(監)2008『能楽ハンドブック』三省堂
  • 白洲正子,1995『能の物語』講談社文芸文庫
  • 三浦裕子,山崎有一郎,1998『能楽入門〈1〉初めての能・狂言』横浜能楽堂
  • 佐藤芳彦『宝生流――謡の事典』わんや書店

成績評価方法

本講座は,単なる実践による能楽の体験はもとより,講義を通し,参考文献購読,さらには能楽鑑賞を通して,ことばに迫る,伝統文化としての能楽の世界に触れる。評価は,そうした活動を通し,講義への出席,実践活動,及び発表会参加などから総合的に判断する。

関連WEBサイト

紹介記事『東京新聞(2010年5月8日夕刊)』――早大で「実践能」授業

『東京新聞(5月8日夕刊)』――早大で「実践能」授業画像をクリックして拡大[JPEG]

以下写真も,東京新聞の撮影,提供
写真:早大で「実践能」授業 写真:早大で「実践能」授業 写真:早大で「実践能」授業