理論研究「第二言語習得論」

  • 学期:1学期
  • 配当年次:1~2年
  • 曜日時限:金曜日2限(10:40 - 12:10)
  • 講義教室:14号館603教室
  • 講義形式:集合型講義(週1回90分授業)
  • オフィスアワー:月曜日(12:00 - 13:00)or by appointment

授業内容

この講座では,第二言語習得(SLA)の研究分野(談話習得,意味交渉,学習ストラテジー,自然習得,自律学習,脳の言語処理過程,など)に関する主な理論的フレームワークや実証研究を紹介し,関連する研究論文のレビューを行うとともに,これまで構築されたSLAの座標軸では捉えきれない,ミクロ及びマクロの諸問題を考察する。

談話習得の分野では,実際の接触場面で現れたコミュニケーション問題を解決するための,調整行動を含んだディスコースを分析する。さらに,意味交渉に関するこれまでの先行研究のレビューを行い,実際のディスコースの中からモデルとすべき調整談話を考察していく。

学習ストラテジー研究では,これまでの研究動向をもとに,今後どのような理論的発展が望まれるかを考えるとともに,学習者が自らの学習行動をどのように管理すべきかについてもあわせて考察する。さらに,教師の管理が及ばない学習者(外国人力士など)を例に,彼らの習得ストラテジーを解明する。加えて,内省的分析の方法論として,脳の言語処理過程などを例に,フォローアップ・インタビューをはじめとする,これまでの方法論をレビューし,より詳細な言語処理過程の検証を試行する。

アセスメント

1.関連理論研究論文のレビュー(30%)

第二言語としての日本語習得研究(JSLA)の接触場面のディスコース分析の実証研究論文を5編読み,その研究の意義,方法論と分析結果をまとめる。(締め切り:第11週,6月29日)

2. プロジェクトワーク(40%)

A. コミュニケーション能力の習得を目的とした日本語教科書を1冊選び,その中から調整行動を含むディスコースを選んでその調整パターンを分析する。あわせて,談話習得からみた教科書分析も行う。(20%)(締め切り 第12週,7月6日)

B. 接触場面でのディスコースを収録し,調整行動が比較的よく出現している部分(1分程度)を文字化し,そこに現れる調整パターンを分析し発表し,レポートに書いて提出。文字化資料,分担箇所のレポート,口頭発表(20%)(発表:第12週,第13週)

3.テスト(20%)

講義内容についての設問(第14週)。

4.クラス参加(10%)