松井孝浩(まつい たかひろ)
2014年4月入学
研究テーマ
- 日本および東南アジア言語教育政策
関心のあるトピック
- 外国につながる子どもたちの日本語の学びとアイデンティティ形成
学位論文
- 松井孝浩(2009).『教室における関係性の構築・更新のための学習活動――タイでの実践を通して考える日本人協力者の位置づけと捉え直し』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
業績
論文
- 松井孝浩(2016).言語教育における「もうひとつの社会的存在」としての日本語学習者――フィリピン中等教育機関向け教材『enTree』における「My Language Biography」とポートフォリオ分析から『言語政策』12,81-104.
- 松井孝浩(2013).就労時における「日本語の問題」の一般化と実践への応用に対する批判的考察――タイ・バンコクで働く元学生へのインタビュー調査から『言語文化教育研究』11,352-368.
- 松井孝浩,大舩ちさと,和栗夏海,須摩亜由子(2013).アイデンティティ形成を支える学習活動の実際――フィリピン中等教育機関向け教材『enTree - Halina! Be a NIHONGOJIN!! -』の学習活動から『国際交流基金日本語教育紀要』9,25-42.
- 大舩ちさと,和栗夏海,松井孝浩,須摩亜由子,フロリンダ・アンパロ・A・パルマヒル(2012).「プログラムの継続性」と「学習の継続性」を目指した日本語教育導入の試み――フィリピンの中等教育における実践から『国際交流基金日本語教育紀要』8,151-168.
- 松井孝浩,中井雅也(2010).小規模実践研究グループにおける実践の振り返り――参加教師へのインタビュー調査分析から『WEB版「日本語教育実践研究フォーラム報告」2010年度日本語教育実践研究フォーラム』日本語教育学会.
- 松井孝浩(2007).文法的に「正しくない」表現を担当者はどのように扱うべきか――形容詞の否定形を中心に『言語文化教育研究』7,50-62.
- 松井孝浩(2007).教室活動における日本語母語話者の位置づけと組織化についての振り返り――教室内での実践共同体の構築をめざして『国際交流基金バンコク日本文化センター日本語教育紀要』4,181-190.
- 松井孝浩(2006).思考を言語化する教室活動――総合活動型日本語教育のタイでの実践『国際交流基金バンコク日本文化センター日本語教育紀要』3,137-136.
著書(共著)
- 松井孝浩(2019).鶴見国際交流ラウンジ.山脇啓造,服部信夫(編)『新多文化共生の学校づくり』(第3部第2章第1節)明石書店.
調査報告書
- 松井孝浩(2015).フィリピン.国際交流基金日本語国際センター(編)『21世紀の人材育成をめざす東南アジア5か国の中等教育における日本語教育――各国教育文書から見える教育のパラダイムシフト』(3章,3.1).
書評
- 松井孝浩(2013).複数言語環境で育つ子どもたちのことばの営みをまるごと捉える視点『「移動する子ども」という記憶と力――ことばとアイデンティティ』早稲田大学日本語教育研究科川上育雄研究室.http://gsjal.jp/kawakami/bkkiokurev.html
教材開発
- 鶴見国際交流ラウンジ学習支援教室(2018).『わたしの日本との出会いと歩み』(未公刊)*.
*欧州評議会が発表した Autobiography of Intercultural Encounters (AIE) と,国際交流基金マニラ日本文化センターが作成したフィリピン中等教育機関向け教材 enTree を参考にして作成。在日の外国につながる子ども言語、文化、アイデンティティをめぐる学びを視野に入れた教材。
試験開発
- 国際交流基金日本語国際センター(2017).『JF日本語教育スタンダード準拠ロールプレイテスト[テスター用マニュアル](第2版)』国際交流基金.[PDF]
まんが原作
- 今野涼(作画),松井孝浩(2018).『ホセ・リサール(全10話)』TRICO.https://www.sukima.me/book/title/joserizal/
発表
- 松井孝浩,日高嘉恵,藤井美香(2018年3月17日).「ボランティア自らの手による,日本語ボランティア養成講座の企画運営――地域で活動したくなる講座を目指して・鶴見国際交流ラウンジの取り組み」早稲田大学日本語教育学会2018年春季大会.
- 松井孝浩(2015年5月).「複数言語環境における言語生活の中で,生徒は学校で学ぶ日本語をどう捉えているか――フィリピン中等教育機関向け教材『enTree』における「My Language Biography」とポートフォリオ分析から」日本語教育学会2015年度春季大会.
- 関崎友愛,松井孝浩,長坂水晶(2015年5月).「JF日本語教育スタンダード準拠ロールプレイテストC1レベルの開発」(ポスター発表)日本語教育学会2015年度春季大会.
- 松井孝浩,アレクサンダー・マカイナッグ(2014年3月).「実践研究を通して私たちはどのような社会貢献が可能か――フィリピン・ヴィサヤ地域日本語教師会による日本語教育カンファレンス開催を通して」言語文化教育研究会2013年度研究集会大会「実践研究の新しい地平」.
- Macainag, A., Gabines, N., Ocho, R., Pegarido, R., & Matsui, T. (2014, January). “Variable Japanese language instruction and the global Nihongojin.” 14th Annual International Conference on Japanese Studies. Ateneo de Manila University.
- 松井孝浩(2012年9月).「就労時における『日本語の問題』の一般化と実践への応用に対する批判的考察――元学生へのインタビュー調査から」国際研究集会「私はどのような教育実践をめざすのか――言語教育とアイデンティティ」早稲田大学日本語教育研究センター言語文化教育研究会.
- 松井孝浩,大舩ちさと,和栗夏海,須摩亜由子(2012年3月).「複数言語環境でのアイデンティティ形成を支える学習活動の実際――フィリピン中等教育機関向け教材『enTree - Halina! Be a NIHONGOJIN!! -』の学習活動から」(ポスター発表)リテラシーズ研究集会「〈移動するこどもたち〉のことばとアイデンティティ」
- フロリンダ・アンパロ・A・パルマヒル,フランチェスカ・M・ヴェントゥーラ,ジュニロ・S・エスピリトゥ,アリス・メリー・L・イチョン,大舩ちさと,松井孝浩,須摩亜由子,和栗夏海(2012年3月).「自己実現力の育成をめざした教材『enTree - Halina! Be a NIHINGOJIN! -』の紹介――中等教育機関での日本語教育が育成すべき能力とは何か」タイ国日本語教育研究会第24回年次セミナー.
- 松井孝浩,中井雅也(2010年8月).「小規模実践研究グループにおける実践の振り返り――参加教師へのインタビュー調査分析から」(ポスター発表)日本語教育学会2010年度実践研究フォーラム.
- 松井孝浩(2009年9月).「複言語・複文化主義とビジネス日本語教育研究――経済産業省『社会人基礎力』の検討から」リテラシーズ研究集会2009「複言語・複文化主義と言語教育」.
- 松井孝浩(2009年3月).「『ビジネス日本語』教育研究とは何か」第3回ことばと文化の教育を考える会(中国:北京外国語大学).
- 松井孝浩(2008年10月).「海外日本語教育における文化学習のための教室活動実践の具体化とその課題――タイにおける『文化リテラシー』育成のための教室活動実践」タマサート大学主催日本語教育国際シンポジウム(タイ,バンコク).
- 松井孝浩(2008年8月).「実践研究,分析と記述のタテとヨコ―M-GTAとエスノグラフィーの二つの方法を用いた実践の分析と記述」(ポスター発表)日本語教育学会2008年度実践研究フォーラム.
- 松井孝浩(2008年3月).「海外日本語教育における学習環境の設計とその課題――参加者の母語に関わらず学び合える教室を目指して」タイ国日本語教育研究会第20回年次セミナー.
- 五十嵐まゆ,井上春菜,河上加苗,小島佳子,古川奈美,松井孝浩(2007年10月).「教室活動における『コミュニケーション主体』とは何か――『考えるための日本語 1』の参与観察を通じて」(ポスター発表)早稲田大学日本語教育学会2007年秋季大会「多様化する日本語教育と課題」.
- 深澤伸子,八田直美,安田励子,松井孝浩,高坂千夏子(2007年3月).「タイにおける中級の会話教育を考える」タイ国日本語教育研究会第19回年次セミナー.
講演・研修出講等
- 2019年1月,JICA横浜(主催)国際理解教育/開発教育教員セミナー「地域・学校での多文化共生――実現への一案を考える」
- 2018年11月,神奈川県立地球市民かながわプラザ(主催)日本語学習者・支援者のための集い,パネルディスカッション「『移動する子ども』たちの主体的な進路選択・社会参加を支えるために」(あーすぷらざ).
- 2016年12月,鶴見大学(主催),横浜市鶴見区(後援)「鶴見区の多文化状況をめぐるシンポジウム」.
日本語教育関係の経歴
- 2016年5月~現在
- 公益財団法人 横浜市国際交流協会
- 2014年5月~2016年5月
- 国際交流基金日本語国際センター 専任講師
- 2011年4月~2014年4月
- 国際交流基金マニラ日本文化センター(セブ駐在) 日本語専門家
- 2009年4月~2010年12月
- タイ早稲田日本語学校 専任講師
- 2006年4月~2007年3月
- 国際交流基金バンコク日本文化センター一般講座 非常勤講師
- 2003年5月~2007年3月
- タイ国立シーナカリンウィロート大学人文学部タイ東洋言語学科日本語専攻 専任講師
一言ご挨拶
無文字社会の残滓を色濃く残し,かつ複数言語・文化社会であるフィリピン・ヴィサヤ地域で3年間日本語教育に携わりました。この地域で繰り広げられる複数言語による「声と身体性に即した言語」による豊かなコミュニケーションに触れたことは,自身の言語教育観を見直す決定的な体験でした。これからはこの経験を何とか研究としてまとめ,多く人たちに「声と身体性に即した言語」が織り成すコミュニケーションの豊かさを感じ取ってもらえたらと思っています。