講演概要

外国語学習において母語転移が最も顕著に現れる領域が音声・音韻と言われている。いわゆる「外国語なまり」の強い日本語学習者の発音は,日頃日本語学習者の発音を聞き慣れていない日本語母語話者にとって聞きづらく,内容が伝わりにくいことが多い。本発表では,臨界期を過ぎてから日本語学習を開始したにも関わらず,ネイティブレベルの発音習得を達成した日本語学習者へのインタビューの結果を中心に,次の2点について述べる。

  1. 発音習得度の高い学習者の個人的要因
  2. 発音習得度の高い学習者のストラテジー

調査の結果,発音習得度の高い学習者には共通性が見られ,積極的にシャドウイング等の発音学習方法を用いて学習を行っていることがわかった。本発表では,実際のインタビューの録音データにしたがって,ネイティブレベルの発音習得がどのようにして達成されたのかを明らかにしていきたい。