特集:日本語音声の教育と研究の新しい流れ

『日本語教育』142号,2009年

掲載論文より

  • 戸田貴子(2009).日本語教育における学習者音声の研究と音声教育実践『日本語教育』142,47-57.[DOWNLOAD: PDF]※

※日本語教育学会の掲載許可済(引用等の際には,必ず『日本語教育』をご参照ください)

投稿募集要領

学習者音声の研究・調査には大きな変化が起きています。実験心理学的手法や器械的分析などの量的研究がかつては主流でしたが,近年では学習者の情緒的側面や社会的ネットワークの分析といった質的方法によって音声習得に関わる要因を明らかにしようとする試みが行われています。また,社会情勢の変化の一例として,正確なコミュニケーション能力を要求される看護師・介護福祉士候補者等の受け入れが準備されており,日本語音声教育の重要性が再認識されています。

一方,音声教育・研究に関係の深い録音・再生機材やインターネット環境は過去10年の間に目覚ましい進歩を見せています。教材はデジタル化されインターネット上で公開されるようになり,ほとんどの学習者がデジタルプレーヤーを所有するようになりました。メディアの変化に呼応して音声教育の教材と方法も大きく変化するものと予想されます。

このような現状の中,国内外の日本語教育現場でどのような音声教育が実践されているのか,どのような研究が進行中なのか,どのような問題と課題があるのか,次世代を担う教師の教育には何が必要か,こうした課題を扱った意欲的な論文を募集します。(※以上の文面は,日本語教育学会による投稿募集時のもの)