公開研究会「質的調査法研究会」:2009年度

第9回「質的研究におけるディスコース分析の位置づけ」

  • 日時: 2010年2月9日(火)16:00~18:00
  • 場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館203教室★
  • 話題提供者: 鈴木聡志(東京農業大学)

★事前申し込み不要です。直接会場へお越しください。

発表要旨

心理学,教育学等で質的研究への関心が高まっている。これまで多くの方法が紹介されてきたし,また新手法の開発もあった。

質的研究であれば意義があった時代は過ぎ,研究目的に応じて適切な方法を選択する時期に入っていると講演者は考えている。

本講演ではディスコース分析の背景や特徴を概説し,他の質的研究法との違いを対比させる。

実例として教室の会話をとり上げ,ベテラン教師の授業と教育実習生の授業を分析することで,ディスコース分析の実際を示すとともに,その課題を考えたい。

参考文献

第8回「PAC(Personal Attitude Construct)分析使用の可能性と留意点について考える」

  • 日時: 2009年11月13日(金)17:00~19:00
  • 場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館8F会議室★
  • 話題提供者: 坪根由香里(早稲田大学日本語教育研究センター)

★直接会場へお越しください

発表要旨

日本語教師はどのような実践的思考を行い,自分のとるべき教授行動を決定しているのか,またこうした実践的思考は,何を裏付けになされているのか。これらを解明するために,発表者は,共同研究として教師の実践的思考の解明を目的としたマルチ・メソッド研究を進めています。

具体的には,ある日本語の授業をビデオで見ながら気づいたこと感じたことなどをその場で口頭で再生してもらい,そのプロトコル等を分析することで,教師が即興的にどのような実践的思考をしているかを明らかにしようとしました。しかし,この研究では,データ解釈の際,調査者の主観が入りやすい等の問題点が浮かび上がりました。そこで,新たな研究では,できるだけ調査者の主観を排除するため,上記調査の他にPAC分析も実施し,教師個人の思考について質的に分析することにしました。また,PAC分析を行うことにより,プロトコル等に現れた思考の背景にある被験者の教師観,授業観やそれらを形成する要因を探ることができると考えました。

PAC分析では,半構造化インタビューとは違い,自由連想法を用い,また,KJ法とは異なり,類似度評定から得られたデンドログラムを使用してインタビューを行います。そこから得られる長所がある一方で,PAC分析を用いる際にはいくつかの留意点・問題点もあります。それらについて,皆さんと一緒に考えていきたいと思います。ご参加をお待ちしています。

参考文献

時間がある方は,事前にお読みください。

第7回「コミュニケーション活動を柱とした初級クラスの学びを質的に分析・記述する試み」

第7回「質的調査法研究会」は,「コミュニケーション活動を柱とした初級クラスの学びを質的に分析・記述する試み」をテーマとして,以下の要領で開催します。どなた様もふるってご参加下さい(事前登録等不要。直接会場にお越し下さい)。

  • 日時: 2009年7月3日(金)17:00~19:00
  • 場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館502教室
  • 話題提供者: 高木美嘉・鴻野豊子・古賀和恵(早稲田大学日本語教育研究センター)

発表要旨

本発表は,発表者グループが実践している初級クラス(早稲田大学日本語教育研究センター設置の「できる日本語1」)に関する質的研究の過程を報告するものです。

この初級クラスは,学習者同士のコミュニケーション活動を柱として設計したクラスです。学習目標は,自分のコミュニケーションができるようになることで,学習方法は学習者自身の話題や考えをクラスメート同士で交換(コミュニケーション)することです。従来の初級クラスのような文型の積み上げを学習の主目的に置いていないため,文型を積み上げるためのメインの教科書を指定していません。

このように,教科書がなく,コミュニケーション活動を柱とした初級クラスで,果たして学習者は「どのようなこと」を「どのように」学んでいるのでしょうか。08年度秋学期からチームを組んだ発表者グループは,この問いを明らかにしたいと思いました。

そこで,学習者の学びを明らかにし,記述するため,質的な研究方法によって分析してみることにしました。今回は,08年秋学期「できる日本語1A」クラスで学んでいた学習者のヨウさん(仮名)が語った(書いた)「活動の振り返りの記録」を分析資料として,ヨウさんがこのクラスで「どのようなこと」を「どのように」学んだかについて分析した結果を発表し,参加者の皆様からのフィードバックを得たいと考えています。