質的調査法研究会
- 質的調査法研究会へのお誘い
- 公開研究会の記録 ―― 次回ご案内は随時,トップページのお知らせに掲載しています。
- 2013年度
- 第13回「バフチン言語哲学のエッセンスとNEJの言語習得促進のスキーム」
- 2012年度
- 第12回「ライフストーリーを聞く・解釈する・記述する」
- 第11回「私たちの実践研究のその後――方法論を越えて」
- 2010年度
- 第10回「私から出発する質的研究」
- 2009年度
- 第9回「質的研究におけるディスコース分析の位置づけ」
- 第8回「PAC(Personal Attitude Construct)分析使用の可能性と留意点について考える」
- 第7回「コミュニケーション活動を柱とした初級クラスの学びを質的に分析・記述する試み」
- 2008年度
- 第6回「他者のライフストーリーを書くとはどういうことか――語り手の物語と研究者の物語の関係性」
- 第5回「授業研究のための質的データとは何か――授業ダイアリーの可能性」
- 第4回「日本語学習者は,語るべき物語をもっている――ライフヒストリアンとしての私が,その「日本語人生」に出会って」
- 第3回「講演「日本語学習活動への質的アプローチ」」
- 第2回「移動する子どものことばの学びを捉える――エピソード記述による試み」
- 2007年度
- 第1回「相互自己評価をめぐる質的研究――M-GTAによる分析」
- 2013年度
質的調査法研究会へのお誘い
2007年度秋学期より「質的調査法研究会」を始めました。
日本語教育の現場では,学習・教育場面における学習者および教師の活動をどのように記述し,解釈するか,といったことの必要性から,質的調査法への関心が高まっています。質的調査法は,学習者の理解プロセス,教室活動の展開,教師の役割など,さまざまな観点から,人びとの営みを質的にとらえ,その営みを意味づけ,新たな問いを立ち上げることによって,より深く現場を理解し,よりよい実践へと繋げるためのものだと考えます。また,動的に変容を続ける現場を記述する方法を模索する試みでもあります。
一方,近年,質的研究について数多くの本が出版され,質的研究による論文も多く見られるようになって来ました。しかし,研究テーマによって,あるいは問題意識の所在によって,研究の方法は異なり,単純にマニュアル化されるものでもありません。研究の中に研究者を含む,あるいは自分自身を含んで記述する,ということの難しさがあります。また,定量的,実証主義的な研究こそ研究であるというパラダイムに長くいた私たちが,その呪縛から抜け切れないでいる面もあると思います。
そこで,関心をもっている者どうしが,互いに学びあう場として,この研究会はスタートしました。各自の現場のデータを持ち寄って検討しあうことによって,協働的に学ぶことができれば幸いです。関心をお持ちの方々の積極的なご参加をお待ちしています。
2007年10月22日 舘岡洋子