学会・研究会・セミナー発表

2010年~現在(一部)

川上郁雄,池上摩希子,宮崎里司(2012年5月26日).「JSLバンドスケールを用いた日本語能力把握によって教育支援システムはどのように展開したか――鈴鹿市におけるJSL児童生徒に対する教育実践を通して」日本語教育学会春季大会(拓殖大学).
2008年より4年間,大学・教育委員会・学校の連携によるJSL児童生徒への日本語教育支援システムの構築について実践研究を重ねてきた。本発表の第1の論点は,この支援システムの柱の一つであるJSLバンドスケールを用いた4年間の判定結果を軸に,JSL児童生徒の日本語能力が,この間にどのような変容を遂げているかという点である。2番目の論点は,把握されたJSL児童生徒の日本語能力の判定結果が学校で展開される教育実践にどのように生かされたのかという点である。3番目の論点は,JSLバンドスケールを導入したことによって,教育委員会や教員の意識にどのような変化が生まれたのかという点である。
発表は,JSL児童生徒500名以上の日本語能力をJSLバンドスケールによって4年間にわたり記録し,その結果をもとに教育実践を展開した,この支援システムの有効性と実践の要点を明らかにすることを目的とする。なお,本研究については共同研究者として中川智子氏(鈴鹿市立牧田小学校)の協力を得た。
岡田朋美,宮崎里司(2012年5月26日).「EPA看護師の国家試験合格後の課題――国家試験後の日本語支援者の役割とは」日本語教育学会春季大会(拓殖大学).
本研究は,看護師資格を取得したEPA看護師の現状を訴え,日本語の課題と支援者の役割について,アーティキュレーション(連携・連続性)の観点から問題提起を行うものである。2011年3月に看護師国家試験に合格し,4月より病院に勤務するEPA看護師4名,及び,受け入れ先の日本人看護師2名に対し,意識調査を行った。結果,EPA看護師は,国家試験前は情報の理解が中心だったが,国家試験後は的確に伝える力が必要だと感じていることがわかった。日本人看護師も「技術的なもの,知識的なものは持っている」と評価する一方で,医療分野では「正確さ,簡潔さ,適切さ」が求められることを指摘する。今後は,日本で働く一看護師として,現場を理解し,考え,自分の言葉で的確に表現することが必要となる。日本語支援者は,今後も引き続き,「間と間をつなぐ存在」として,専門家である日本人看護師と連携し,課題の共有を行っていく必要がある。
宮崎里司(2012年2月25日,26日)共同宣言・基調講演「全国郷土検定サミット」in那須.
2012年2月25日,26日に那須で開催された「全国郷土検定サミット」[チラシ:PDF]では,地域の文化や歴史などに関する知識を問う「郷土検定」を行っている全国36の団体が集まり,検定を通して郷土の素晴らしさを自覚し伝えていくことなどを盛り込んだ共同宣言[ポスター:JPEG]を発表しました。日本語教育にも,こうした地域について意識化することが必要との思いから,基調講演をお引き受けしたものです。講演では,検定は地域のへの自負心を育むが,検定合格者にその知識を生かして地域の取り組みに参加してもらう機会を作ったり,合格者の知見を丁寧に発信する必要があることなどを提言しました。
宮崎里司(2012年2月6日).講演「言語教育とGlobal Articulation――留学前・留学中・留学後における自律的な言語学習をめざして」金沢大学.
http://www.kanazawa-u.ac.jp/university/administration/prstrategy/eacanthus/1202/06.html
宮崎里司(2011年12月23日).講演「外国人受刑者への支援――日本語教育の立場から」茨城県地域生活定着支援センター,芳香会社会福祉研究所(共催).
チラシ[PDF]
宮崎里司(2011年11月28~29日).基調講演「インドネシアの中等及び高等教育における日本語学習ストラテジー」インドネシア・プルウォクルト.
記事2011年11月28~29日,インドネシア・プルウォクルトにて開催の国際セミナー「インドネシアの中等及び高等教育における日本語学習ストラテジー」(国際交流基金助成,スディルマン大学,インドネシア日本語教育学会共催)にて宮崎がおこなった基調講演について,現地の『じゃかるた新聞』2011年11月1日号に掲載されました。[記事をダウンロード:PDF
宮崎里司(2010年6月26日).外国人の学習権保障と日本語教育『21世紀の「日本語教育」を共に考える集い――日本人・日本社会に貢献する「日本語教育」,その新たな地平をきりひらく』パネルディスカッション「地域が輝く,日本を変える,日本語教育」東京大学駒場キャンパス.
義務教育未修了者に対する学習権保障の観点から,学齢超過の外国人,公立中学校夜間学級で学ぶ外国人生徒や,少年院の外国人収容者に対する日本語教育の充実を図るため,省庁間の横断的な取り組みの必要性について,問題提起する。
中野玲子,宮崎里司,早川直子,奥村恵子,吉井敦子(2010年3月20日).「外国人介護福祉士候補生の日本語教育について考える」早稲田日本語教育学会パネル発表.
外国人介護福祉士候補者受け入れ施設における日本語教育の現状に加え,外国人介護福祉士候補者に対する日本語教育教材開発について,新たに開発した,外国人介護福祉士候補者のためのバンドスケールについて,報告します。

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