映画「こんばんは」
ポスター(JPG:1.16MB)より転載
学ぶ喜びに満ちた夜間中学校
夜間中学とは
戦後の混乱期,貧困のため昼間学校に行くことができない学齢期の子供たちのために1947年に設けられたのが夜間中学です。その後,戦争などによって学佼に行けなかった学齢をはるかに越えた高年齢の人たちや日韓条約(1965年)の調印によって韓園からの日本人妻やその家族の引き揚げ,さらに1972年の日中国交回復による中国からの引揚者が相次ぎ,その人たちが日本語を習得するために夜間中学校へ入ってくるようになりました。
そして今では,国際結婚によって日本に来た各国の人々などを受け入れるようになっています。このように夜間中学にはさまざまな国,さまざまな年齢の人たちが通い,アイウエオから高校受験のための勉強まで,それぞれの進度に合わせた教育が行われています。
その夜間中学は現在全国に35校の公立の学校があり,約3000名の人たちが学んでいます。その他にボランティアによって,全国でおよそ20の自主夜間中学が運営されています。その時々の社会の問題を色濃く反映した夜間中学では単なる「学歴」を獲得することではなく,自分自身の人生を生きるために必要な「学力」を身につける勉強が毎夜行われています。
ここは競争主義や効率を優先する学校ではないので老いも若きも生徒たちは皆ノビノビとした学校生活を楽しんでいます。教育の危機が叫ばれ,出口が見えない状況にあって,夜間中学は「学ぶ」とは本来どういうことなのか,「学校」とはどのような場所であるべきかということを教えてくれます。
映画「こんばんは」を推薦します
- 大竹しのぶ(俳優)
- 「涙がポロポロこぼれて止まりませんでした。たくさんの子供たちに見せてあげたい。勉強することの大切さ。そして生きて行くことの力強さを見せてあげたい。心からそう思いました。ありがとう」
- ジェームス三木(脚本家)
- 「学習の根源的な意味と目的を考えさせられる」
- 滝川れい子(音楽評論)
- 「心がカラカラに乾いて壊れかけている今の日本で,勇気とやる気とやさしさがふつふつと湧いてくる映画ですね」
- 小山内美江子(脚本家)
- 「人は人との間で育ち,人になって行くという思いをいま一度かみしめました。年の差に間係なく,学ぶという姿勢の中で確かな友情が生まれ・・・見事な作品です」
全国にはおよそ170万人の義務教育未終了者がいると言われています。その人たちのもとにこの映画を贈り届けたいと思います。
参考資料
「夜間中学の青春」(大月書店刊)
【文:見城慶和/写真:小林チヒロ】
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