私の体験談――別科生から大学助手
劉佳琦(リュウ カキ)[研究内容紹介]
中国の上海という町から単身日本に来てから,もう5年経ちました。大学を卒業するまで一度も親元を離れたことのない私にとって,来日当初の留学生活は容易なものではありませんでした。でも,あの時の私がいたからこそ,今の私がいると思います。では,私の歩んできた道を皆さんにご紹介します。
私は2001年夏,初めて日本に来ました。勿論早稲田大学も初めてなので,わからないことばかりでした。日本語センターの先生方も事務の方々もとても親切で,何でも気軽に相談することができました。日本語の授業も楽しくて,ほかの国のお友達もいっぱいできました。今思えば,別科生の時は一番楽しかったかもしれません。
日本語教育研究科に入学したのは2002年の9月でした。大学時代から日本語の発音に興味があったので,戸田貴子教授の音声コミュニケーション研究室を選びました。別科の春休みなどを利用して,早稲田大学の中央図書館にこもって,ひたすら音声関連の勉強をしました。書類選考,筆記,面接試験を受けて,最後の合格通知をもらった時,うれしくて,涙が止まりませんでした。でも,本当の試練はこれからでした。
2002年~2004年の修士課程の2年間はとにかく忙しい毎日でした。単位取得のため,たくさんの授業に出なければならないし,専門知識を身につけるため,大量の先行文献を読まなければなりません。休み期間は,主に修士論文のデータ収集に時間を費やしてしまいました。それから,データ分析などをして,最後の半年は修論執筆期間でした。研究の面では,最後の半年は一番成長した気がしています。
2005年4月の博士課程入学までの半年は,修士論文の成果をまとめ,学会で発表をし,学会誌の投稿に挑戦をしました。そのすべてが貴重な経験で,研究の力も少しずつついてきました。修士論文を書くだけでなく,自分の考えを学会などで発表することによって,いろんな人からコメントや批判をもらって,さらに自分の研究に生かすのも大切なことだと思いました。
今年4月から日本語教育研究センターの助手に就任し,センターの仕事をしながら,自分の研究を進めていきます。現在,博士2年ですが,あと1年半で卒業すると思うと,まだまだやりたいことがたくさんあり,とても時間が足りない気がしています。
最後に,私のこの体験談を読んでくださった皆さんに,私の好きな言葉をお贈りしたいです。
"The more I learn, the more I realize I don't know. The more I realize I don't know, the more I want to learn."
By アルベルト・アインシュタイン。
私はその言葉をモットーにこれからもがんばっていきたいと思います。