私の博論執筆について
劉佳琦(リュウ カキ)[研究内容紹介]
博士論文を提出してから,あっという間に半年を経ちました。今振りかえってみると,博論の執筆期間は本当に充実していました。無論挫けそうになったこともありましたが,提出までたどり着くことができました。主指導,副指導教官の教え,先輩後輩の助け,家族の後援のどれも欠かせませんでした。
主指導の教官とはほぼ毎週博論について議論をしてきました。調査方法,分析方法,そして言語理論の理解・解釈,執筆方法等などあらゆる面に関してご指導をしてくださいました。また,副指導の先生との打ち合わせも何度も行われ,その都度適切なご助言をいただきました。さらに,書くことに関しては決して得意な方ではなかったので,何回もネイティブの方に査読してもらい,文法や語彙の間違いを直してもらいました。ノンネイティブの執筆者にとっては非常に大事な過程だと思います。非文や誤字脱字はもちろんのこと,内容の分かりやすさの面においても,人の目に触れさせ,できるだけ多くのコメントを得ることが大切です。
そして,何よりも大事なのは日頃の蓄積です。人の助けがあっても,結局論文を書くのは自分です。しかも博論は大作であり,十日半月で成し遂げることはできません。日頃,関連する先行研究を読み漁ることが論文執筆時に大きく働きます。書くときに論の展開に悩むより,普段少しずつ積み重ねた方が楽だと思っています。欲を言えば,関連分野のみならず,あらゆる分野に関心を持つことも博論レベルでは求められているかもしれません。
博士論文は始まりにすぎないと思っています。まだまだ研究者のタマゴです。今後教壇に立って,もっと実際の教室活動に役に立ちそうな研究をしたいと考えております。
最後に,この文章を読んでいる方に次の言葉を贈りたいと思います。
「ありきたり」な努力を着実にこなし,成果へとつなげる。――松井秀喜