小西達也(こにし たつや)

博士後期課程 2022年度秋学期入学

研究テーマ

海外の地方都市における日本語教育とその周縁の社会関係資本の醸成過程

キーワード
  • ベトナム
  • 地方都市
  • 地域活性化
  • 社会関係資本
  • 日本語教師教育

自己紹介と研究について

私はベトナムの日本語教育に八年間(2014年~2022年現在)携わってきました。ベトナムでは、ここ数年間、日本語学習者が急増しています。そして、常に問題点として挙げられるのが、日本語教師の数的不足と、そこから発生している日本語教師の質的低下です。

「日本語教師数が足りないから教師を増やす」「日本語教師数は増えてきたが、教師養成・支援等の機会が充実していないため、質が落ちてきたので、教師養成・支援等を行う」、このような道筋を通るのは当然かもしれません。しかし、そこにはどのような方針があるのでしょうか。急場しのぎの日本語教師養成・支援になっていないでしょうか。このような状況はベトナムの大都市だけではなく、地方都市も例外ではありません。むしろ、地方都市においては、日本語教育が将来的に継続される保証などどこにもありません。継続的に日本語教育が当該都市で行われるためには、どのような日本語教育を目指し、それを目指すにあたってどのような日本語教師が必要となるのでしょうか。これが私の研究テーマの出発点です。

私が現在滞在する地方都市のある高等教育機関の日本語教育では、日本語教育を通して人的交流や文化交流が活発になるような「地域活性化志向型」を方針に掲げた日本語教師の養成・支援、日本語教師教育を行なっています。

このような方針を掲げて多種多様なプログラムや活動を実施していくと、様々な「つながり」が醸成されていきます。形式的な人と人の「つながり」、そして、そこから生まれる「信頼」や「規範」が生まれてきます。その醸成過程を明らかにし、海外の地方都市の日本語教育のモデルケースを示したいと考えています。