岡田みなみ
23期生(2012年4月入学)
修士論文
- 岡田みなみ(2014).『伝え合う経験が育む日本語教育を求めて――学習者はコミュニケーションに対する考え方をどのように変化させていったのか』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要書]
研究業績
発表
- 岡田みなみ,小山いずみ,平澤栄子,松島調,道端輝子(2013年3月8日).「総合活動型日本語教育における対話」第12回言語文化教育研究会『言語教育とアイデンティティ』(ベネチア:カ・フォスカリ大学).http://gbki.org/past12.html
その他
- 岡田みなみ(2013).近況:人と人をつなぐ「ことば」の教育『言語文化教育研究』11,416-417.http://gbkk.jpn.org/vol11.html#kinkyo
自己紹介
日研での様々な実践を通じて,私の言語教育に関する考え方は変わりました。そもそも,私は,自らの言語学習の経験から,「ネイティブスピーカー」を規範とした「正しさ」に囚われて,言語学習者が,自分の学習する言語で人とコミュニケーションをすることに大きな障壁(のように思えるもの,自分を取り囲む壁のようなもの)を感じるようになっていくということに問題意識を持っていました。学習者として自分が抱えていた問題としても,それをどうにか打破したい,と考えていたのです。
しかし,日研で参加した様々な実践では,そうした「正しさ」への意識よりも,「伝えたい」という強い思いに突き動かされ,言語活動を繰り広げていく学習者にたくさん出会うことができました。そんな彼ら,彼女らとともに活動しているうちに,言語教育によって,その「伝えたい」という思いが育まれるということに注目するようになっていきました。
もちろん,「伝える」ことを支援するために,必要な文法や単語を教えることも,言語教育の大きな役割の一つだと思います。しかし,私が参加した実践では,それだけではなく,「伝えたい」という思いが育まれる場として,言語教育が重要な役割を果たしていました。そして,それこそが,私が当初抱いていた問題意識を打破していけるような言語教育なのではないかということに,修士課程の2年間を経てようやく気づくことができました。
日研修了後,私は,愛知県の高等学校で英語教育を行っています。日本語と英語,言語は異なりますが,「伝えたい」思いを育む言語教育という点では共通するはずです。むしろ,言語教育としてくくられる時間だけでなく,学校での生活すべてが,そうした言語教育の場であると考えています。一つ一つのやり取りを大切にし,一人一人の高校生たちの声に耳を傾け,「伝えたい」思いを引き出していける教師にになるべく,勉強の毎日を送っております。