大森優(おおもり ゆう)

博士後期課程 2023年度春学期入学

研究テーマ

多様な言語文化背景をもつ学生がともに学べる高等教育と社会の実現を目指した日本語教育実践研究

学位論文

  • 大森優(2010).『「個」からはじまる関係性を目指して――「にほんご わせだの森」における「ことば」の捉え直しから見えたこと』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要書

自己紹介

私は修士15期生として池上研で学び、その後は留学生を対象とした日本語授業を担当するとともに、文章作成に関する対話的支援を行うライティング・センターでの実践と研究を続けてきました。そして、一般学部生を対象とした初年次教育のアカデミックライティング授業も担当しています。

大学全入時代の到来および入試制度の多様化により、日本の大学には、親や学生自身が外国にルーツをもつ学生や帰国子女、日本で生まれ育ったけれども何らかの要因により日本語に苦手意識を強くもつ学生など、様々な学習背景や言語文化背景をもち入学する学生が増加しています。彼らが自信をもって、本来もつ力を発揮しながら大学での学びに参加していけるようにするために、何が必要なのでしょうか。

日本語教育学は、人を育て、新たな社会を創造していく豊かな可能性をもった分野です。多様な背景をもって入学する学生がますます増えていく大学において、日本語教育学的な視点をもった言語活動実践が果たせる役割は大きいのではないかと考えています。

多様な背景をもつ学生がともに学び合う高等教育と社会の実現を目指して、それがいかにしてできるのか、「ことばの教育」である日本語教育の実践研究を通して考えていきたいと思っています。

業績

論文

  • 大森優,黒田史彦(2022).日本語アカデミックライティング支援における実践知の抽出過程――「発想のスイッチ」を例として『筑波大学グローバルコミュニケーション研究センター日本語教育論集』37,93-102.https://doi.org/10.15068/0002003350
  • Yu Omori, Fumihiko Kuroda(2022).A Review of a Short-Term Japanese Language Program Focusing on Japanese Pop-Culture: From the Perspective of CLIL. The Journal of the Japan CLIL Pedagogy Association (J-CLIL), 4, 44-59. https://www.j-clil.com/journal
  • 西菜穂子,小舘梓,竹内香織,大森優(2022).ASCにおけるオンライン学習支援『グローバル・コミュニケーション研究所紀要』11,173-197.http://id.nii.ac.jp/1092/00001874/
  • 大森優(2021).学生の思考と言語化する力を育む教育実践――LMSの活用とオンデマンド・対面授業併用の効果『神田外語大学言語メディア教育研究センター年報』4,1-25.http://id.nii.ac.jp/1092/00001891/
  • 黒田史彦,大森優(2021).学生同士がオーセンティックに学び合う日本語短期集中プログラムを目指して――日本の新旧ポップカルチャーをメインテーマに『言語教育実践 イマ×ココ 現場の実践を記す・実践を伝える・実践から学ぶ』9,74-83.
  • 大森優,いじょんみ,小島佳子,福村真紀子,大野のどか(2014).日本語母語話者・非母語話者が共に学ぶ地域日本語教育とは何か――「自分のために」参加できる日本語教室の意義『WEB版 日本語教育実践研究フォーラム報告』,1-10.
  • 秋田美帆,ドイル綾子,大森優(2014).ライティング・センターのチューターはネイティブチェックをどのように捉えているか――質問紙によるチューターの意識調査から,『アカデミック・ジャパニーズ・ジャーナル』6,1-11.
  • ドイル綾子,大森優,秋田美帆(2013).日本語学習者の「書く」プロセスにおいてライティング・センターが果たす役割とは何か『WEB版 日本語教育実践研究フォーラム報告』,1-10.

研究発表

  • 黒田史彦,大森優(2021年8月6日).「日本語アカデミック・ライティング支援者のための研修リソース開発」第9回日本語教育支援システム研究会CASTEL/J(オンライン開催).
  • 黒田史彦,大森優(2021年3月16日).「日本語アカデミック・ライティング支援者のためのパターン・ランゲージに関する探索的研究」第56回日本語教育方法研究会(オンライン開催).
  • 大森優,清水由賀(2020年6月6日).「ライフキャリア教育の場としてのゼミ・フィールドワーク――効果とデザイン」大学教育学会第42回大会.
  • 大森優,黒田史彦,伏木田稚子(2018年12月1日).「学生は書くことに対する意識をいかに深化させたか――ライティング・ワークショップへの参加を通して」大学教育学会2018年度課題研究集会.
  • 伏木田稚子,大森優,黒田史彦(2018年9月28日).「ライティング・ワークショップのデザインと実践に関する提案――思考の整理と表現する力の習得を目指して」日本教育工学会第34回全国大会.
  • 大森優,川上さくら,齋藤綾子(2010年2月17日).「ネイティブチェックにとどまらないチュータリングを目指して――日本語非母語話者学生とのセッションを事例に」2010年日本ライティング・センター研究会(東京:早稲田大学).

報告等