地域日本語教育研究
- 講義内容
- 学習目的や年齢など,日本語学習者の多様化が言われている。この講義では,そうした状況を概観し,多様化する日本語学習者に対して,どういった日本語教育の「方法」があり得るのか考えていく。併せて,「日本語を教える」ということの意味を捉えなおしてみたい。
- 授業計画
- オリエンテーションから始め,設定したテーマにそった活動とディスカッションを行う。テーマは講義の中で紹介するが,担当者だけではなく受講生もテーマを選ぶことになる。
- 講義期間中に受講生は,地域において日本語教育が行われている実践現場について,見学もしくはリサーチを行う。その結果を授業時間内に報告し,他の受講生と情報を共有するとともに意見交換をする。その結果をまとめて期末にレポートとして提出する。[レポート・タイトル一覧]
- 成績評価
- 出席状況 30%,授業参加度 40%,レポート 30%
- 受講生への注意事項
- 講義は「参加型」で実施。「講義を受ける」といった姿勢ではなく,この授業をひとつの場として利用すること,また,そこでの意見交換に積極的に参加し,場を作り上げていくとを期待する。
- キーワード
- 学習者の多様化,定住者,学習目的,JFLとJSL,識字,個別性要因,学習観・教育観
「地域日本語教育研究」で扱うキーワード
- 「地域日本語教育」の語られ方
- 「地域」とはどこか・「対等性」「多文化共生」の意味するもの
- 地域で暮らす学習者と日本語教育の方法
- 生活日本語・場面シラバス・トピックシラバス・後方シラバス・ニーズ・素材集
- 地域の日本語支援者・支援者の役割
- 求められているもの・多様性・意識・役割・コーディネーター・専門性とは何か
- 多様化する学習者生涯学習としての日本語学習
- 夜間中・識字教室・小中学校・高校・補習教室・母語保持教室・リテラシー
- 日本語教育と他領域の連携
- メンタルヘルス・周辺領域とネットワーク・地域との関連・リソースセンターの発想
- 学習者の多様化と学習の個別性
- 年齢・学習適性・ストラテジー・学習スタイル・動機・態度・情緒
- 社会文化的要因
- 社会文化的要因をどう捉えるか・記述の仕方・質的研究
- 「日本語を教える」ということの意味
- ファシリテーター・学習環境・自律学習
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レポート・タイトル一覧
2007年度秋学期
- 地域日本語教育訪問報告――長野県佐久市『日本語教室・すずらんの会』を中心に地域日本語教育が抱える課題を考察する
- 「異文化間ソーシャルワーク」と地域日本語教育
- 日系人日本語教育について――年少者を対象とする継承語教育を中心に
- 台東区御徒町にある在日韓国人貴金属協会の日本語ボランティア教室
- 日本語教育のレゾンデートル――地方自治における日本語教育政策の位置づけについて
- 新任医療通訳スタッフ養成研修――MICかながわ医療通訳派遣事例
- 留学生を対象とする日本語ボランティア教室のアンケート調査
2006年度秋学期
- 大阪府の教育支援を知る―大阪府の日本語支援,大阪市が行う取り組み,定時制高校における支援を通して
- 日本語教室の教授関係を越える視座について―「横浜・寿識字学級」からの示唆
- 『川崎市ふれあい館』見学報告と再訪問
- 「多文化共生センター東京」の見学およびインタビュー
- 全国夜間中学校研究大会に参加して
- 地域日本語教室の抱える問題―国分寺市国際協会日本語教室(夜間)の現状から
- 「日本語教室 わかば」
- 佐倉市の市民グループボランティアによる日本語講座『佐倉市根郷公民館「日本語の会」』見学
- 三鷹MISHOP(財団法人三鷹国際交流協会)見学
- 三宿の夜間学級見学
2005年度春学期
- NIS地域の日本語教育事情
- 中国帰国者支援・交流センターにおける「異文化交流会」に参加して
- 中国帰国者支援・交流センター交流会参加報告
- 日系企業における在日中国人ITエンジニアの日本語教育について
- 新潟県の日本語ボランティア事情紹介
- 長春市における日本語教育―精華外国語教室を中心に
- 新宿区大久保小学校における日本語教育
- 石川県国際交流・協力事業における日本語教育
- 親とことばと子育て―母親は子育ての仲間
- 福岡県における自治体や国際交流団体の日本語学習支援活動
- 『やさしい日本語』と防災日本語への取り組み
- 前橋市国際交流協会における日本語活動
- 「新宿親子の日本語教室」参加報告・地域日本語教育について考えたこと
- 学齢期を過ぎて来日した外国人青少年への取り組み
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