活動記録

2019年夏 講演・研修情報

YouTube:Japanese language education seminar: Japanese pronunciation for communication [YouTube]
2019年7月20日(土)13:00~16:00 [AEST]
The Japan Foundation, Sydney
詳細は,WEBサイトをご覧ください。
ScreenShot:タイ国日本研究協会(JSAT),泰日経済技術振興協会(TPA・ソーソートー)共催セミナー基調講演『オンライン・リソースを活用した日本語教育のあり方――グローバルMOOCsにおける発音講座をとおして』[2019-07-03]
2019年6月26日,TPAスクンビット本館:バンコク
タイ語版
バンコク国際交流基金(チュラーロンコーン大学さくらネットワーク・プロジェクト)ワークショップ「タイ人日本語学習者を対象とした日本語音声教育――現場ですぐに実践できる音声教育」
チラシ 日時:2019年6月29日(土)9:30~12:00
会場:バンコク国際交流基金(バンコク,スクンビット:サーミット・タワー10階)
講師:戸田貴子
詳細はFacebookページをご覧ください
Japanese Studies Association of Australia Biennial Conference
2019年7月2日(火),モナシュ大学(オーストラリア)
Session 3.1: Concurrent Sessions
Toda, Takako, & Okubo, Masako.
Effects of practicing Japanese pronunciation using new online learning environment: A case study of an English native speaker
詳細は,WEBサイトをご覧ください。
Poster:基調講演「オンライン・リソースを活用した日本語教育のあり方――グローバルMOOCsにおける発音講座をとおして」
2019年6月26日,タイ国日本研究協会(JSAT)・泰日経済技術振興協会(TPA・ソーソートー)共催セミナー(バンコク・TPAスクンビット本館)
abstract“New Approaches to Language Education: Japanese Pronunciation Online Course in Global MOOCs.”
5月13日(月)16:15~,オーストラリア国立大学(BPB W3.03) Language Teaching Forum[発表要旨:PDF]

2019年春 講演・研修情報

  • 3月15日(金)イタリア日本語教育協会(Aidlg)恒例研修会(サピエンツァ・ローマ大学:Sapienza Università di Roma)[プログラムほか:公式サイト
    • 講義1「日本語音声教育ワークショップ――最新の日本語音声教育の動向(グローバルMOOCs等)」
    • 講義2「自律学習のための発音指導ワークショップ――シャドーイング等」
  • 3月19日(火)学習者対象ワークショップ(ボルドーモンテーニュ大学)「Japanese Prononciation for Communication」
    • JPCを利用した発音学習方法の紹介,発音の実践練習
  • 3月23日(土)国際交流基金ケルン日本文化会館日本語教師研修(ケルン日本文化会館)「Japanese Pronunciation fo Communicationを利用した発音学習」
    • JPCを利用した発音学習やシャドーイング練習の方法
    • ワークショップ:ブレンディッド・ラーニング,反転授業の教育現場への応用
  • 3月30日(土)第49回オーストリア日本語教師会定例会 講演「新しい日本語音声教育の方法」(ウィーン大学東アジア学科日本学セミナールーム)

2018年冬,世界4箇所でのJPC(Japanese Pronunciation for Communication:コミュニケーションのための日本語発音)ワークショップ

第12回国際日本語教育・日本研究シンポジウム(2018年12月,香港理工大学)――当研究室から9名が発表

2018年12月8日~9日に香港理工大学で行われた第12回国際日本語教育・日本研究シンポジウムで、戸田研究室の博士課程在籍生6名と卒業生3名が発表しました。発表の日程とテーマは以下の通りです。

1日目:12月8日

photo:

張 婉明(博士後期課程)
「日本語学習者による音声の自己評価における気づき―アクセントに対する評価を中心に」
趙 氷清(博士後期課程)
「日本語の物語の音読におけるF0の特徴―中上級中国人学習者を対象に」
千 仙永(修了生・早稲田大学ライティングセンター)
「オーセンティックな素材を活用した日本語音声教材の利用と学び」
ケーシー 万奈(修了生・香港大学SPACE)
「自信のつく発音の準備運動と筋トレ活動―香港大学SPACE「プレゼンテーション日本語」における授業実践より」
劉 佳琦(修了生・復旦大学)
「多言語背景における第二外国語としての日本語破裂音の習得研究」

2日目:12月9日

photo:

サイ ティマイ(博士後期課程)
「日本語教育における発音指導の現状――ベトナムの日本語教師のインタビューを中心に」
胡 偉(博士後期課程)
「日本語学習における清濁の混同及びその影響に関する意識調査―フォーカス・オン・フォームの視点より明示的な注意の引き方の提案」
伊藤 茉莉奈(博士後期課程)
「日本語学習者の学習環境に対する捉え方─中国広東方言話者の語りから」
劉 羅麟(博士後期課程)
「ナ行音・ラ行音の生成における母音の影響―中国語成都・重慶方言話者を対象に」

中国・香港における日本語教育について勉強するいい機会になりました。幅広い分野の先生方と活発な意見交流ができ,大変実りの多いシンポジウムになりました。開催校や香港でお世話になった皆様に心より感謝申し上げます。

博報財団第13回「国際日本研究フェローシップ」招聘研究者来日懇談会に出席

photo:2018年10月8日(月・祝)博報財団第13回「国際日本研究フェローシップ」招聘研究者来日懇談会に出席しました。

  • 招聘研究者: 劉佳琦(中国復旦大学外国語言文学学院・准教授)
  • 受入担当者: 戸田貴子(早稲田大学大学院日本語教育研究科・教授)

劉氏からの抱負のことば

現在,復旦大学日本語学科の准教授で副主任を務める劉佳琦と申します。今年9月から来年8月までの一年間は博報財団の国際研究フェローとして来日し,研究活動を行う予定です。上海で10年近く言語教育に携わるようになってきて,習得プロセスの解明に新たな問題意識が芽生えました。研究招聘期間中に,初心に戻り,情熱をもって,しっかりと成果を出したいと考えております。

執筆・発表情報 2018年

  • 11月9日,2018年上海外国語大学日本学国際シンポジウム
    • 戸田貴子,胡偉,大久保雅子「グローバルMOOCsにおける日本語発音オンライン講座の運用調査――中国人教師を対象として」
  • 『日本語教育』170号〔研究論文〕グローバルMOOCsの相互評価における継続参加――日本語発音オンライン講座の分析を通して(戸田貴子,大久保雅子,千仙永,趙氷清)[目次と要旨
  • 8月13日~ 英国日本語教育学会(BATJ)第21回大会:発表「グローバルMOOCsにおける日本語発音オンライン講座――英語字幕・英語音声翻訳ファイルを利用したブレンディッド・ラーニング-」戸田貴子
  • 2018年度日本語教育学会春季大会(東京外国語大学,2018.5.27)で口頭発表を行います。
    • 「グローバルMOOCsにおける日本語オンライン講座の動画再生ログにみられる視聴実態」戸田貴子(早稲田大学)・大戸雄太郎(早稲田大学大学院生)[プログラム:PDF
  • 『Waseda Online』(2018年5月21日号)オピニオンに紹介記事が掲載されました。[2018-05-22]

2018年5月,中国・上海で講演,ワークショップ

  • 2018/5/12 特別講演
    「グローバルMOOCsにおける日本語発音オンライン講座の運用――中国人学習者を対象として」
    2018年度日本語教育と日本学研究国際シンポジウム(同済大学)
    戸田貴子,大久保雅子,胡偉
  • 2018/5/13 基調講演
    「教育のグローバル化がもたらす新しい学びのかたち」
    2018年度日本語教育と日本学研究国際シンポジウム(同済大学)
    戸田貴子
  • 2018/5/14 ワークショップ
    Japanese Pronunciation for Communication
    (上海外国語大学 日本文化経済学院)
    戸田貴子

中国の日本語教育と日本学について学ぶ大変良い機会となりました。お招きいただきました同済大学,上海外国語大学の先生方に心より御礼申し上げます。

2018年春,韓国でJapanese Pronunciation for Communicationの講演

  • 韓国外国語大学(4月30日)
  • 建国大学(5月1日)
  • ソウル女子大学(5月2日)
  • 高麗大学(5月3日)

韓国のみなさまと大変実り多い意見交流を行うことができました。開催校の先生方に心より感謝いたします。

韓国合宿2018プログラム――戸田研究室の修士・博士12名の学生が参加

photo:戸田研究室の修士・博士12名の学生が参加した韓国合宿プログラム(2018年2月9~12日)について報告します。本プログラムは,以下の日程で行いました。

1日目:2月9日(金)
往路・演習ゼミ(学会発表事前準備)
2日目:2月10日(土)
韓国日本学会国際学術大会「情報化時代の学際的日本研究」参加発表・懇親会参加
3日目:2月11日(日)
振り返りゼミ・平昌,明洞見学
4日目:2月12日(月)
韓国外国語大学校日本語大学における授業見学・復路

1日目は,ソウル到着後,演習ゼミにて学会発表者の最終リハーサルを行い,質疑応答や意見交換を重ねて翌日の学会に備えました。

2日目は,午前中は戸田研から修士1名,博士2名が研究成果発表を,午後は戸田の講演を,プログラム参加者全員で見学しました。国際学会初参加の学生も多く,普段の国内でのゼミでは得られにくい,多角的な視点からのコメントを受けることができ,非常に充実したものとなりました。また,懇親会では,韓国で活躍する多くの日本語教育研究科の在籍生・修了生と意見交換し,現地の日本語教育に関する情報収集を行うことができました。

3日目は,学会翌日の振り返りゼミを実施し,学会参加から得た学びや今後の課題を共有しました。今回の学会参加は,参加学生自身の研究活動にとって,とても良い経験になったようです。その後,全員で平昌・明洞を見学しました。

4日目は,韓国外国語大学校での日本語授業を見学しました。日本語教育経験のある学生にとっては,最先端の海外の日本語教育の現状を見ることで,自身の教育活動への示唆が得られ,日本語教育経験のない学生にとっても,今後の現場での教育活動をイメージすることができたようです。日本語教育研究科の在籍生・修了生の活躍を目の当たりにし,とても良い刺激を受けました。

本プログラムは短期間でしたが,多くの研究教育活動を含んでおり,参加学生にとって有意義な経験となりました。今後は,今回の経験から得た学びを今後の研究教育活動に生かせるよう,指導を続けていきたいと思います。

*本プログラムは早稲田大学国際部国際課・留学センターの海外への学生引率プログラム助成制度,および早稲田大学大学院日本語教育研究科の学会・研究指導合宿参加費補助を受けています。

促音ワークショップ
日本語の促音――分かったこと,まだ分からないこと

  • 主催: 科研費・挑戦的研究(萌芽)「促音(重子音)に関する学際的・国際的共同研究のためのネットワーク形成」(17K18502
  • 日時: 2018年3月4日(日)13:30~17:00
  • 場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館207号室(地下鉄「早稲田」駅より徒歩8分)[アクセス
  • 参加費: 無料
  • 申込み: 事前申込不要
  • 問合せ先: 窪薗 (kubozono@ninjal.ac.jp)

プログラム

  1. 「借用語音韻論と促音」窪薗晴夫(国立国語研究所)
  2. 「実験音韻論と促音」川原繁人(慶應義塾大学)
  3. 「生理学的手法から見た促音」松井理直(大阪保健医療大学)
  4. 「日本語教育と促音」戸田貴子(早稲田大学)
  5. 「音楽と促音」坂井康子(甲南女子大学)

事前申込不要,参加資格等ございません。どなたさまもふるってご参加下さい。

研究・活動報告 2017年冬

  • 韓国日本学会第96回国際学術大会(主題:情報化時代の学際的日本研究,2018年2月10日,淑明女子大学校にて開催)において,招聘講演を行います。[韓国日本学会のホームページ[2018-01-11]
  • 大連外国語大学のお招きにより,招聘講義『中国語母語話者のための日本語発音学習支援――グローバルMOOCsのJapanese Pronunciation for Communicationをとおして』を行います。[大連外国語大学のホームページ[2017-11-29]
  • 国際シンポジウム「ベトナムにおける日本語教育と日本研究――人材育成のための連携可能性を巡って」ハノイ国家大学外国語大学にて発表――翌日は日本言語文化学部・日本語教育25周年(1992〜2017)記念式典が開催[チラシ:PDF]されます

Japanese Pronunciation for Communication ワークショップ in ベトナム2017

  • 7月29日,ハノイ国家大学外国語大学
  • 7月30日,ホーチミン市師範大学
  • 8月2日,ダナン外国語大学

photoベトナム3都市8か所を訪問し,JPCワークショップを開催しました。現地ではたくさんの学生さんや先生方にご参加いただきました。ベトナムにおける日本語教育の現状把握と現地の先生方との意見交流も行いました。現在,ベトナムでは日本語教育が益々盛んになっており,オンライン日本語教育の今後の可能性も広がっています。[写真:ホーチミン市師範大学]

本プロジェクトは「グローバルMOOCsにおける日本語発音オンライン講座の運用に関する実証的研究」JSPS科研費J17H02355基盤研究(B)(代表者:戸田貴子)の助成を受けています

研究・活動報告 2017年春・夏

研究・活動報告 2016年秋~冬

【実践報告】2016年3月1日,上海の復旦大学外文学院にて日本語発音講座を行いました

Photo

Photo

使用教材

  • 戸田貴子(2004)『コミュニケーションのための日本語発音レッスン』スリーエーネットワーク.(中国語版『让你沟通自如的日语发音课本』世界图书出版公司,北京)[教材の紹介
  • 戸田貴子(編著)(2012).『シャドーイングで日本語発音レッスン』スリーエーネットワーク.[教材の紹介

研究・活動報告 2015年冬~2016年春

9月18~19日,2015年ホーチミン市日本語教育国際シンポジウム「東南アジアの日本語教育の役割――グローバル人材育成とつながるネットワーク」(ホーチミン市師範大学)

以下の招聘講演を行いました。

研究・活動報告 2015年春~秋

  • 9月13日(日)開催の早稲田大学日本語教育学会秋季大会(早稲田大学11号館)にて,以下の発表を行いました。
    • 戸田貴子,大久保雅子,千仙永(2015年9月13日).「日本語学習者の自律的な発音学習――『発音チェック』における『再提出』が日本語学習者の学びに与える影響」早稲田大学日本語教育学会.
  • 第19回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム(2015年8月27~29日,フランス・ボルドーモンテーニュ大学)[公式サイト]で以下の研究発表を行いました。[2015-09-07]
    • 「インターネットを活用した音声指導――ヨーロッパ圏日本語学習者を対象として」戸田貴子(早稲田大学日本語教育研究科),大久保雅子(東京大学),千仙永(早稲田大学日本語教育研究科)
  • 2015年度日本語教育と日本語学研究国際シンポジウム(2015年5月16~17日上海理工大学)で以下の研究発表を行いました。[2015-06-16]
    • 「日本語非母語話者による発音学習支援――中国人日本語教育実習生を中心に」戸田貴子(早稲田大学日本語教育研究科)・大久保雅子(東京大学)

【開催記録】劉セイラさん公開講演会「日本語と私――「発音の達人」による気づきと学び」

2015年5月28日(木),日本で活躍中の中国出身の声優・劉セイラさんをお招きし,公開講演会を下記の通り開催いたします。

  • pdf日時: 2015年5月28日(木)16:30~18:00
  • 会場: 早稲田大学早稲田キャンパス19号館7階711教室
  • 演題: 日本語と私――「発音の達人」による気づきと学び
  • 企画: 音声コミュニケーション研究室(担当:戸田貴子)
  • チラシをダウンロード[PDF]

劉セイラさんは中国語を母語とする北京出身の中国人でありながら,日本語発音を習得し,現役の声優として日本で大活躍していらっしゃいます。今回はその発音学習の工夫や,声優となった経緯などについて,お話いただく予定です。

どなたでもご参加いただけます(参加費無料,予約不要)。是非お誘いあわせのうえ,ご参加ください。

劉セイラさん・プロフィール

  • 11月25日生まれ,中国北京市出身,青二プロダクション所属。
  • 2008年,北京外国語大学卒業後に来日,日本工学院専門学校に入学。
  • 2011年から日本アニメ声優としての活動が本格化。
主な出演作(役)
キングダム(公の母)
CØDE:BREAKER(異能の少年)
絶園のテンペスト(TVアナウンサー)
ONE PIECE(少年,妻)
楽園追放 -Expelled from Paradise-(政府広報)
美少女戦士セーラームーンCrystal(月野進悟)

【記録】東京音声研究会(TAPS)発音フェスタ「発音の実践について紹介し,気軽に話し合おう!」

プログラムより(抜粋)

発音フェスタ(前半)13:00~14:00
川口義一(元・早稲田大学)「初級第一日目からの自律的発音習得指導」
佐藤貴仁(早稲田大学)「日本語学校における発音教育実践報告」
戸田貴子,大久保雅子,千仙永(早稲田大学)「eラーニングを活用した日本語音声学習支援」
発音フェスタ(後半)14:00~15:00
戸田貴子,青木恵,浅野知広,岩崎裕子,伊藤茉莉奈,品田洋介(早稲田大学)「留学生への音声指導に関する実践研究――欧米系学習者を対象として」
講演会(デモ授業含む)15:15~16:45
笈川幸司氏「飽きられずにリピートさせる――発音指導の秘訣」
総合ディスカッション(16:45~17:15),情報交換会,ほか

photo: 2015年5月9日(土),東京音声研究会主催「発音フェスタ」が,早稲田大学早稲田キャンパス3号館にて開催されました[開催要項]。本イベントは,「発音の実践について紹介し,気軽に話し合おう!」をモットーに,音声を専門とする人もしない人も一緒に,「発音の教え方」を共有する場として設けられ,ポスター発表や実演デモンストレーションなど,計13件の研究が発表されました。

photo: また併せて,日本語の発音教育でカリスマ的な人気を誇る,笈川幸司先生による講演会も開かれました。「飽きられずにリピートさせる~発音指導の秘訣」と題されたこの会では,朗読を題材に発音指導過程が実演され,いかに誤りを正すか,いかにモチベーションを維持させるか,といった笈川幸司先生の具体的かつ実践的なノウハウが披露されました。

photo: 私たち戸田貴子研究室からは,3グループ3件の発表を実施しました。「eラーニングを活用した日本語音声学習支援」,「留学生への音声指導に関する実践研究―欧米系学習者を対象として―」そして「アジア系日本語学習者に対する発音指導の試み―中国語母語話者による発音チェックを通して―」と題した各発表では,早稲田大学日本語教育研究センターの発音クラスを通じた実践研究を基に,実施した音声指導および得られた知見を発表しました。

photo: グループごとに議論を重ねる過程,そして本イベントでのポスター発表を通じ,私たちが実施した音声指導を客観的にとらえ,今後の課題を見出すことができました。特に,研究経験の浅い修士課程の大学院生にとって,多種多様な来場者と議論・意見交換ができたことは,非常に新鮮かつ有意義な体験となりました。

これからも研究室一同,様々な研究活動を通じて,音声コミュニケーションに関する知見を広げていく所存です。(品田洋介)

【講義記録】厦門大学で集中講義「言語学研究」を担当

中国重点大学のひとつである厦門大学で,2014年7月5日から集中講義「言語学研究」を担当しました。

厦門大学では,毎年第三学期に海外からの招聘教授による集中講義が行われています。週末も午前8時から午後5時まで授業が続きましたが,日本語・日本文学および通訳コースの修士課程1,2年の大学院生を中心とした受講生により活発なディスカッションが行われました。この場をお借りして,厦門大学外文学院の呉光輝先生,陳端端先生,任星先生に心より御礼申し上げます。

紹介記事

Photo

【研究状況】早稲田大学日本語教育学会2014年春季大会

プログラムより――戸田研からの発表

ポスター発表 1部(13:15~14:15:202教室)
日本語教師の音声教育観と音声教育実践[ポスター:PDF] : 川染有
ポスター発表 2部(14:15~15:15:202教室)
日本語学習者における平坦上昇調の使用意識[ポスター:PDF] : 冨岡泉
日本語学習者の音声習得を促す発音学習支援――継続的な自律学習に向けた支援方法[ポスター:PDF] : 戸田貴子大久保雅子千仙永張婉明趙靚
口頭発表(15:25~15:55:203教室)
企業の採用担当者は日本語学習者の自己PRの音声をどう評価するか――日本語教師との比較から示唆できること : ケーシー万奈

【研究状況】『早稲田日本語教育学』第16号(2014年2月刊)に「日本語音声教育」特集を組みました。

早稲田大学から日本語音声教育の新展開を発信

掲載論文
  • 戸田貴子,大久保雅子(2014).新しい音声教育実践における学習者の学び――オンデマンド授業による発音学習『早稲田日本語教育学』16,1-18.
  • 大久保雅子,張婉明,趙靚(2014).オンデマンド授業における発音学習支援――メンターによる「発音チェック」機能を中心に『早稲田日本語教育学』16,39-60.
  • 千仙永,小針奈津美,古賀裕基(2014).BBSを活用した音声学習支援――メンターによる働きかけを中心に『早稲田日本語教育学』16,19-38.
  • 稲葉直也(2014).早稲田大学におけるeラーニングシステム『早稲田日本語教育学』16,61-72.
  • 劉佳琦(2014).中国における日本語音声教育の現状と課題――復旦大学日本語学科の取組みから『早稲田日本語教育学』16,105-116.
  • 趙大夏(2014).PBLを導入した日本語発音教育の研究――韓国大学の日本語音声学授業を中心に『早稲田日本語教育学』16,73-86.
  • タサニー・メーターピスィット(2014).タイ人日本語学習者のための音声教育の現状と課題――教師の教育方法と学習者の取り組み方を中心に『早稲田日本語教育学』16,87-104.

参考: 『早稲田日本語教育学』の案内ページ

ゼミ生企画「私の日研人生――研究をする楽しさ」
話題提供:大久保雅子

去る9月15日に博士学位を取得された大久保雅子さんが,以下の要領で報告会を行います。

修士課程在学中にどのようなことをしたのか,研究活動から得たことなど,新入生にも参考になるお話が盛り沢山です。どなたでもご参加いただけます。是非お誘い合わせの上,ご参加ください。

  • 日時:2013年9月26日(木)15:00~15:45
  • 会場:早稲田大学早稲田キャンパス22号館511教室
  • 話題提供:大久保雅子[研究紹介
    • 博士(日本語教育学)
    • 早稲田大学日本語教育研究センターインストラクター(非常勤)

【受賞】第1回WASEDA e-Teaching Awardオンデマンド授業部門賞

担当:戸田貴子『オンデマンド+多角的支援で,日本語発音授業の学習効果を向上』

エンブレム第1回WASEDA e-Teaching Awardで,戸田が担当する『オンデマンド+多角的支援で,日本語発音授業の学習効果を向上』が,オンデマンド授業部門賞を受賞しました。

また,この発音オンデマンド授業に関する研究発表(共同研究)を,早稲田大学日本語教育学会2013年春季大会でおこないました。

【テレビ:5月4日】博士後期課程の古賀裕基さん,大久保雅子さん,千仙永さんが,日本テレビ「所さんと未来の学者がお悩み解決!ノービル科学賞」に出演

  • 番組名:「所さんと未来の学者がお悩み解決!ノービル科学賞」(サタデーバリューフィーバー)[http://www.ntv.co.jp/svf/20130504.html
  • 放送予定日・時間:2013年5月4日(土)13:30-14:30
  • 番組趣旨:若手研究者と芸人がタッグを組んで,日常で誰もが感じる悩みや願いについて最新の科学を交えて解決しようと奮闘する,失敗覚悟の実験バラエティー。
  • 出演者:MC,所ジョージ/SHELLY.レポーター,ずん(飯尾・やす)・東京03(角田)・フォーリンラブ(バービー),その他全国から選りすぐられた研究者5組(戸田研究室からは古賀裕基大久保雅子千仙永の3名が出演します。)

撮影体験レポート

私たちが担当したテーマは「声を工夫して無茶なお願いごとを聞いてもらいたい!」です。お願いを相手に聞いてもらうにはいろいろな工夫が求められますが,今回は「パラ言語」というキーワードを切り口にして音声コミュニケーションについて考えます。

人は声の調子を変えることで表現意図や気持ちを伝達しています。例えば,「どうもありがとうございます」という感謝を伝える表現も言い方によっては皮肉に聞こえる場合があります。これは言語情報とは別にことばにできない情報が聞き手に伝わっているために起こります。このようにイントネーションなどの韻律的な特徴によって伝達される話し手の表現意図や心的態度,気持ちなどをパラ言語情報といいます。このパラ言語情報は聞き手の解釈に大きな影響を与えるため,パラ言語情報を伝達している声の高さなどの要素を調整することで,聞き手の印象を変化させることができます。

今回の実験ではある既婚の一般人男性Kさん(日本人)の依頼をお伺いしました。Kさんは月々3万円のお小遣いで生活をしており,毎月のお小遣いにはほとんど余裕がないそうです。しかしながら,15万円の新しい時計がどうしてもほしいので,お小遣いを出してもらえるよう奥さんに依頼をします。

依頼を受け入れてもらうため,同情を誘う音声や申し訳なさがより伝わる音声について,声の高さ,話速,ポーズ,言いよどみ,息の漏れなどの点に焦点をあてアドバイスを行い,VT法(ベルボトナル法)などを利用して練習を行いました。その後も個人的に練習を重ねたKさんは果たして奥さんから時計を買ってもいいという許可をもらうことができるのでしょうか?

撮影をとおしての気づき・今後の課題

今回の撮影では日本人の男性が音声の調整を試みましたが,思った以上に調整がうまくいかず苦労しました。例えば「あのう…」と言いよどんだり,「もうしわけないんだけど」を息の漏れを伴って発音したりする表現です。何度やってもなかなか表現ができないのです。そこで促音などの特殊拍やリズムの指導でも用いられるVT法を取り入れて練習してみたところ,言いよどみや息の漏れなどの練習にも効果が得られることがわかりました。また,日本語母語話者にとっても音声の調整が難しく,自己の発音をうまくモニタリングし,コントロールできていないことが示唆されました。原因としてはモニタリングの基準の曖昧さがまず考えられます。例えば声を高めにするといってもどこまで高くしていいのかわからないといったことです。また,モニタリングの基準となるようなものが与えられたとしても,そこに合わせて調整していくために繰り返し練習を行い,フィードバックが必要であることも示唆されました。

数年前に改訂された文部科学省の小中学校の国語の学習指導要領にも,話す速度や音量,言葉の調子や間の取り方に触れるよう盛り込まれ,音声表現について指導をするようになっています。今後のコミュニケーションを考える際には日本語の母語話者であっても自己モニター力を身につけ,音声表現力を高めていく必要性があるといえるのではないでしょうか。

ロケ裏話

今回の番組ではお笑い芸人ずんのやすさんとチームを組みました。高橋克己さんや柔道の篠原選手のものまねを披露してくださったり,とても気さくでおもしろい方でした。早稲田大学周辺で3つの体当たり実験を行いましたが,番組の都合上すべてカットされているようです。せっかくですので,やすさんの奮闘ぶりを少しご紹介します。

ずんのやすさんの実験は以下の3つ

  1. ラーメン屋の行列に「おなかがすいて死にそう」という理由でわりこませてもらう
  2. 八百屋で一番高い果物を値切る
  3. 靴屋でセール品を買って,「ちょっと違う」という理由で返品する

依頼表現では通常妥当な事情説明が求められるかと思いますが,やすさんの実験では音声に着目するため,あえて妥当性の低い説明での説得に挑戦しました。やすさんはロケバスの中で練習しているときはうまくできるのですが,外で実践をするとコントロールしようと意識しすぎるあまりに不自然な表現になっていました。もともとハードルの高い実験ではありましたが,それでも真剣さが伝わり行列に入れてくださった方もいました。また,八百屋で5000円のメロンの値切りは失敗したものの,別のお店で1800円のすいかを1600円に,またそこからさらに1500円まで値切ることに成功もしています。最後の靴の返品については靴屋の店主に一度返品を断られはしますが,真剣さ,申し訳なさが伝わったということで返品の承諾も得ることができました。あくまで筆者の印象ではありますが,練習や回を重ねるごとに申し訳ないという表現がより伝わりやすくなっていったと思います。今回の放送ではその様子が見ることができずに残念です。やすさんの芸人としての今後の活躍を期待しております。

撮影の様子撮影の様子:ロケバス内のモニターでKさん宅を観察(左より大久保・古賀・やす・千)

早稲田大学日本語教育学会2013年春季大会

プログラムより――戸田研からの発表

ポスター発表(13:00~14:00:202教室)
日本語学習者の職場環境における音声習得に対する意識の考察――日本企業に就職する学習者の事例から
諸井美砂
口頭発表(13:40~15:20:202教室)
オンデマンドの発音授業における新しい学習支援の試み――BBSによって促された学習者の気づき
戸田貴子古賀裕基大久保雅子尹涍禎千仙永張婉明趙靚発表スライド:PDF
パネルディスカッション(15:30~17:30:201教室)
日本語教育の未来を早稲田から考える
川上郁雄,舘岡洋子,小林ミナ,戸田貴子

【受賞】博士課程修了生の劉佳琦さんが,第4回中国「全国日本語専攻若手教師教育技法大会」で3等賞を受賞

「全国日本語専攻若手教師教育技法大会」は中国で年に1回開催され,第1次授業ビデオ審査,第2次公開授業審査があります。全国の大学日本語専攻から若手教師が参加するなか,劉佳琦さん(復旦大学)がみごと3等賞を受賞しました。

【科研費報告書】『第二言語における日本語特殊拍の習得研究』

研究代表者:当研究室出身の木下直子さん[研究紹介

概要

報告書画像多くの日本語学習者にとって「おばさん」「おばあさん」や「来てください」「切ってください」などの特殊拍(長音,促音,撥音)の有無の区別は知覚,生成ともに困難であることが指摘されている。しかし,これまでの研究成果から効果的な指導法が確立されているとは言い難い。その理由の一つに,日本語学習者がどのように特殊拍を習得していくのか,あるいは習得できないのか,できないとしたらどのような音環境の場合であるのかなどが十分に検討されていないことが挙げられる。

そこで本研究では,次の5つの解明を試みた。(1) 第二言語としてのリズム計測法,(2) 調査協力者の母語である韓国語(ソウル方言話者,釜山方言話者)のリズムと日本語のリズムの特徴,(3) 韓国人日本語学習者を対象とした日本語特殊拍の習得プロセスの解明,(4) 日本語特殊拍リズムの知覚と生成の関係,(5) 学習環境の違い(日本在住,韓国在住),学習者要因(日本語口頭運用能力,学習ストラテジー,学習スタイル,作動記憶容量)が習得に及ぼす影響である。

その結果,(1) 第二言語としてのリズム計測法としては,PVI(Grabe andLow,2002)が習得状況をより捉えられる計測法であること,(2) ソウル方言話者と釜山方言話者による韓国語リズムの違いは見られず,韓国語リズムは日本語リズムに比べて母音間区間の持続時間の伸縮が大きく,nPVIc が異なること,(3) 特殊拍の知覚において2 年目に習得が確認されたが,特殊拍の中では長音が最も習得が遅いこと,(4) 特殊拍の知覚と生成には相関が見られないこと,(5) 日本在住の学習者が韓国在住の学習者より特殊拍リズムの習得が早いわけではないこと,特殊拍リズムの習得には日本語口頭運用能力は関与しておらず,口意識型ストラテジー,聴覚型学習スタイル,作動記憶容量が関与していたことが明らかになった。

キーワード
日本語教育,第二言語習得,特殊拍,リズム,長音,促音,撥音,知覚,生成,学習ストラテジー,学習スタイル,作動記憶容量,リスニングスパンテスト,OPI,JFL,JSL

報告書をダウンロードする[PDF]

【研究成果公開】DVD教材「日本語でシャドーイング」公開

JIDEL DVD教材,「日本語でシャドーイング」(正式版)を動画で公開しています。現在,JIDEL(カンバス社製)を利用した,4ヶ国語の字幕が選べるビデオがごらんいただけます。

  1. 解説編「シャドーイングとは」
  2. ナレーション編「東京の魅力発見」
  3. 会話編「ベストフレンド」

Internet Explorerのみ対応しています。そのほかの環境の方は,試作版をYoutubeでご覧ください

※本教材は,「音声習得ストラテジーと発音学習システムに関する実証的研究」平成18~20年度科学研究費補助金基盤研究(B)(代表者:戸田貴子)によるものです。

【招聘講演】2012年6月15日,北海道国際交流センター
Takako, TODA. Acquisition of Japanese Phonology: Towards Successful Pronunciation Learning

Hokkaido International Foundation, Japanese Language and Japanese Culture Program: 2012 Special Lectures by Guest Speakers.

講演要旨

There is a common belief that children can attain pronunciation of a target language comparable to native speakers (NS) soon after arrival in a foreign country, while adults tend to speak second languages (L2) with a somewhat noticeable accent due to ingrained interference from their first language (L1). This notion agrees with our general impression that attaining NS-level pronunciation of L2 is much harder for adults than children. If the uncontrollable factor of ‘age’ influences the level of language acquisition, is there any chance adult learners of Japanese can achieve flawless L2 phonology?

The theoretical explanation for this impression is the critical period hypothesis. In this lecture, we will first explore the possibility of attaining NS levels of L2 pronunciation. The recent study found that learners who started studying Japanese after puberty were able to attain NS levels of pronunciation, which suggests that learning even after the critical period of acquisition can produce exemplary language skills (Toda, 2008).

Follow-up interviews with the six successful learners found that they had the following features in common:

  1. meta-language knowledge of Japanese phonology,
  2. consciousness in learning pronunciation,
  3. making full use of available resources,
  4. continuing regular oral practice such as ‘shadowing’,
  5. showing an interest in learning pronunciation and working hard towards that goal,
    and
  6. receiving a large amount of L2 input from an early stage of their learning.

The key to success appears to lie in the six features mentioned above, which seem to have had a stronger effect on learning L2 pronunciation than age or L1 background. Finally, pronunciation practice methodology is introduced and a practice session is conducted to improve your pronunciation.

参考:昨年のSpecial Lectures

2011年2月26日(土)第14回:日本語教育と音声研究会

「音声で気持ちを伝える――声優としての音声表現の工夫」若本規夫氏

  • 日時: 2011年2月26日(土)13:00~16:00
  • 会場: 早稲田大学 早稲田キャンパス11号館501教室[アクセス
  • 参加費: 無料(事前申し込み不要)
  • これまでの記録,ほか

基調講演では,40年ものご経験を持つ声優界の大ベテランの若本規夫氏(シグマ・セブン所属)に声で意図・感情を伝えるとはどのようなことかお話を伺います。アクセント・イントネーション・声色など,我々が日頃意識していない日本語の音声特徴の使い分けにおける工夫や留意点をご教示いただきます。

また,演じられた役柄はアニメ・ナレーション・外国映画など数百にもなり,音声コミュニケーションに見られる発話キャラクタについて,人物像をどのように音声で表現されているのかについて伺います。

若本氏によると,日本語がほとんどできないファンの方々も声の力,声の表現力で感動するそうです。この貴重な機会にぜひ「音声表現」の持つ力について,参加者の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

プログラム
13:00~
開会挨拶
13:10~ 第一部:基調講演
「音声で気持ちを伝える――声優としての音声表現の工夫」
若本規夫氏(シグマ・セブン所属 声優)
14:10~
質疑応答
15:00~ 第二部:研究発表
「声で気持ちを伝える」古賀裕基 氏(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
「声で伝えるイントネーション学習」村田佐知子 氏(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
16:00
閉会
若本規夫 氏 プロフィール

アニメ「戦国BASARA」(織田信長),「名探偵コナン」(大滝警部),外国映画「プリズン・ブレイク」(セオドア・“ティーバッグ”・バッグウェル),「バットマン・ビギンズ」(ヘンリー・デュカード),「ナルニア国物語」(秘密警察長官モーグリム),ナレーション「嵐にしやがれ」ほか多数

【受賞】修了生の劉佳琦さんが,復旦大学外国言語文学学院2010年度優秀教師に

本研究室修了生の劉佳琦さん[研究紹介]から,復旦大学外国言語文学学院[Website]の2010年度優秀教師に選ばれ,敬業賞を受賞したとのご報告をいただきました。

この賞は,教育・研究および社会の各方面における活動が優れている大学教員に与えられるもので,劉さんは研究においては,核心雑誌論文1本,学会発表2本,各種研修会2回,教材翻訳1冊という業績が高く評価されました。また,2010年復旦大学光華青年学者科研奨励企画審査,および2010年度復旦大学文科科研推進プログラム「金苗」(2010年11月~2012年11月)審査に合格し,研究助成を受けています。

研究・活動報告 2010~2011年

さらに以前の情報は,過去のニュースより